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【特別企画】世界各国共同印刷プロジェクト!
ボローニャ・ラガッツィ賞(伊)、ストーン・ウォール賞大賞(米)受賞作
人魚になりたかった少年・ジュリアンの物語『Julian Is a Mermaid』を翻訳出版したい!

ちょっとだけ勇気を出して自分のやりたいことをやろう!タレントのtosHico★トシ子ちゃんから応援コメントが届きました!

タレントとして活躍しながら、ももいろクローバーZやはるな愛さんの衣裳デザイン、造花や水引を使ったプロダクトデザインなど、物作りの世界で幅広く活動しているトシ子ちゃん。カラフルでユニークなファッションがトレードマークのトシ子ちゃんは、『Julian Is a Mermaid』を読んで、自分の子ども時代を思い出したそうです。そのクリエーションの原点は着たい服を着ることでした。
 


ジュリアンを見守るおばあちゃんが好き

「僕がこの本を読んで一番、いいなと思ったのはおばあちゃんの存在です。おばあちゃんは、ジュリアンの人魚になりたいっていう気持ちを否定したりしない。僕は今、ティンカー・ベルをイメージしたスタイルをしてるんですけど、浜松に住んでいた中学校の頃からとっても派手な服を着るのが好きでした。蛍光色のものとか、周りの男の子が着ないようなカラフルものばっかり着てた。普通のお父さんお母さんだったら、“そんな服着るのやめなさい!”って怒りそうな服……。でも、僕の両親はぜんぜん文句も言わず受け入れてくれた。僕の着たいものを着せてくれたんです」


いじめられっ子だった小学生からの大変身

「僕は小学校の頃、いじめられっ子でした。体が小さいから腕力ではかなわないし、引っ込み思案で、喋るのが苦手だったのでただ耐えるだけだった。でも、服に興味を持ってカラフルなカッコをするようになったらいじめられなくなったんですよ。どうしてかな。そういうカッコに“強さ”を感じたのかもしれないし、僕のファッションという自己表現を通して、“この子はかなり変わってるんだ”って思われてほっといたほうがいいと思われたのかもしれない(笑)。ファッションという表現で自分も周囲も変わったことで、僕は自己表現というものに興味を持ち始めたんだと思います。それで、今度はお芝居をやってみたくなったんです。東京に通って劇団で子役の活動を始めました。僕は喋るのが苦手だったんだけど、与えられたセリフならちゃんと喋れたんですよ」


やっぱり物作りという自己表現を諦められなかった

「ファッションやお芝居という表現を通じて、僕は人と喋るのが苦手だっていう意識を克服することが出来ました。もっとお芝居をやりたくて、高校から東京に出てきました。あんなに内気でいじめられっ子だった僕が、1人で下宿生活をできるくらいまで強くなってた。高校生活を送るうちに、今度はイラストを描いたり物を作ったりという表現に興味が出てきて、将来はイラストレーターになりたいなあって思い始めたんです。でも、いろいろ考えて高校を卒業後、浜松に帰って就職しました。ところが……慣れない仕事をしているうちに、やっぱり自分は表現活動がしたいんだってことがはっきり分かったんです。結局、1年もしないうちに東京に戻ってきました」


自分を表現すること、それを受け入れることの大切さ

「東京に戻ってからはイラストを描いたり、手鏡に造花をデコレーションした楽屋ミラーを作ったり、自分のしたい表現を追求してきました。表現を通じていろいろな人と繋がることが出来て、大勢の人のお世話になって、雑誌や広告グラビアの衣裳や小道具のお仕事もするようになりました。ももクロちゃんやはるな愛さんの衣裳デザインもやらせてもらっています。僕が今、こういうお仕事をしている原点は、中学校の頃に自分の好きな服を着るという自己表現をしたことだと思っています。ちょっとだけ勇気を出して自分のやりたいことを素直に表現してみる、周りの大人たちはそれを見守ってあげる。人が成長していくためにはそんなことが大事なんじゃないかな。ちなみにティンカー・ベルって「物作り」の妖精なんですよ、知ってましたか? これからもずっと、僕は物作りを通して自分を表現し続けたいと思っています」

 

 


Photo by Leslie Kee

tosHico★トシ子ちゃん
タレント。造花や水引を使ったプロダクトをデザインするアーティスト。造花をデコレーションした〈楽屋ミラー〉は多くの芸能人が愛用。ももいろクローバーZ、はるな愛などタレントの衣裳デザインや、雑誌、広告グラビアのプロップなども手がける。浜松市出身。
@to4tokyo

 

取材・文/プライド叢書編集主幹 宇田川しい

2019/12/10 12:15