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【特別企画】世界各国共同印刷プロジェクト!
ボローニャ・ラガッツィ賞(伊)、ストーン・ウォール賞大賞(米)受賞作
人魚になりたかった少年・ジュリアンの物語『Julian Is a Mermaid』を翻訳出版したい!

ジュリアン応援企画!サウザンブックス歴代発起人による座談会を開催しました

こんにちは! 『Julian Is a Mermaid』、ではなく、先日刊行された『くろはおうさま』の発起人、本橋祈です。

 


『くろは おうさま』
 

11月21日に、『くろはおうさま』の出版記念イベントがありまして、そのときにサウザンブックスの古賀さんと「歴代発起人で座談会やりたいですね」という雑談をしていたのですが、せっかくなら雑談で終わらせず、イベント内でも紹介されていた『Julian Is a Mermaid』の応援企画としてやりましょう! という話になり、発起人の皆さんにお声がけさせていただいたところ、

『グルジ』(2017年5月クラウドファンディング終了、2018年刊行)


の発起人、的野裕子さんと、
 

『Kids Like Us』(2019年9月クラウドファンディング終了)


の発起人、林真紀さんがご賛同くださり、『Julian Is a Mermaid』の発起人、横山さんと、サウザンブックス社の古賀さんという5人で、非公開かつオンラインの座談会を行いました。

 


(他にも賛同くださった方々がいらっしゃったのですが、ご都合あわず残念でした。ぜひまたの機会に!)

いろいろ話は尽きず、楽しくて仕方のないオンラインミーティングでした。その雰囲気を少しだけでもお伝えしたいと思います!


***
(的野)はじめまして。アシュタンガヨガの本、『グルジ』の発起人で、翻訳者の的野です。今日はよろしくお願いします。

 

(本橋)ご参加、ありがとうございます。2017年にクラウドファンディングをされたということなので、大先輩ですね。

 

(的野)そうですね。今おもえば、サウザンブックス社の黎明期だったのかなと思います。アシュタンガヨガというニッチな本を出版してくれるところがなかなかなくて、そんなときに、クラウドファンディングで翻訳出版をしようという出版社があるということを知人が教えてくれました。



<専用のフォーンブースから参加の的野さん>

 

(横山)今、クラウドファンディング中の『Julian Is a Mermaid』の発起人、横山です。今日はよろしくお願いします。的野さんがそのヨガの本をサウザンブックス社に持ち込みされたのは、どうやってですか? ネットから?

 

(的野)そうです。当時はサウザンブックス社のホームページに窓口があって、そこから連絡したのが最初でした。今は窓口のページはないんですか?

 

(古賀)ありますよ。今も、いろいろな本の売り込みをいただいています。

 

(本橋)林さんも、持ち込みですか?

 

(林)私は、最初のサウザンブックス社との出会いは持ち込みではなくて、もともと発達障害の分野の本のリーディング(下読み)を頼まれたりしてたんですよね。あ、発達障害の高校生の男の子が主人公の『Kids Like Us』という本の発起人、林です。よろしくお願いします。その、発達障害の本ですけど、リーディングしてもあんまりぴんとこなくて、で、どうせならやりたいものをやりましょう、出したい本を出しましょう、って古賀さんに言ってもらって探してたら、これだ!って思ったのが、このヤングアダルトの『Kids Like Us』だったんです。

 

(本橋)私は、『ぼくを燃やす炎』(2017年8月クラウドファンディング終了、2018年刊行)も勝手に応援してたし、サウザンブックスのプロジェクトはけっこうウォッチしてたんですけど、『Kids Like Us』がヤングアダルトだってわかっていませんでした。もっと幼い子の話かと思ってた。

 

(的野)あ、それってそうなんですよね。私も、クラウドファンディングやってるときに、いろいろ情報を発信するんだけど、ちゃんと理解してくれる人って本当に少ないんだな、と思いました。興味をもってくれてても、「え、出版が決まったんでしょ」って言われたり、パーティーは書籍刊行の後って書いてあるのに、まだやらないのって言われたり。

 

(本橋)出版記念イベントとしてのパーティーですね。リターンとして記念イベントに参加できるコースは『くろはおうさま』にもありましたけど、プロジェクトがスタートする前にリターンを考えるのってけっこう難しくなかったですか。

 

(林)難しかったっていうか、私にはなんもなかったです(笑)。ぜんぶ、古賀さんにおまかせ。でも、私は地元がつくばなんですけど、地元の人からつくばでやらないのって言われたり、うちの会場使ってよ、って言われたり、ああ、そういうのも考えればよかったなー、とは思いました。

 

(古賀)リターンの設定の仕方は、正直、ぼくもまだ勉強中です。ずっと本屋で、本しか売ったことなかったから、クラウドファンディングで読者が何を求めてるのかって全然分からなかったです。でも、最近思うのは、クラウドファンディングに参加してくれる人は、本が欲しいというよりは、その本が生まれたその先の世界のために投資してるのかな、と。アシュタンガヨガの本のプロジェクトなら、アシュタンガヨガのことを知ってる人が増えることで世界がもっと良くなると思ってる人たちがいろんなコースに申し込んでくれてるのかな、と。

 

(本橋)なんか、古賀さんがいい人になっちゃってるじゃないですか。私は正直、『くろはおうさま』を日本の子どもたちに読ませてあげたい、って発起人になりましたけど、クラウドファンディング中、悪いことできないってプレッシャーでしたよ。

 

(的野)いや、でもやっぱりクラウドファンディングで書籍を売り込むって、もの(書籍)の良さと、その本が生まれることによって世界がどう変わるかっていう、そこの熱意が人を動かすんだと思いますよ。

 

(横山)そうなんです。この『Julian Is a Mermaid』は、LGBTQの作品を対象にしたストーンウォール賞を受賞していますが、それにとどまらず、作品そのものが評価され世界各国でさまざまな賞を受賞しています。というのも、枠にはまらないさまざまなテーマを含んだ絵本だからです。たとえば、自分の子どもが男の子で、かわいいもの好きだとわかったとき、ありのままを受け入れるのか、とか……自分の子ども時代に、男の子と女の子で色や服を分けられるのに違和感を感じる人がいたんじゃないかとか。孫とおばあちゃんの心あたたまるお話とも読めますね。

 

(本橋)子どものありのままを受けとめるという点は、林さんの『Kids Like Us』にも通じるし、あとやっぱり同じPRIDE叢書だから『ぼくを燃やす炎』にも通じるものがありますね。

 

(的野)本の魅力を伝えるのに、やっぱり実物を見せるとか、会って話すとかって、すごく効果があると思うんですよね。私もいろいろなイベントに、本を持って出かけたりしました。

 

(林)えーと、私はそれはちょっと違っていて。私も、クラウドファンディングやってるときに、「勉強会に行ってみたら」とか「セミナーを開いてみたら」とか言われて、いろいろやってみたんですけど、私にとって誰かに直接話をするのって、ものすごく体力が奪われてしまったので、わりと早い段階でもうやめようって思いました。私、けっこうサウザンさんのこれまでのプロジェクト研究したんですけど(笑)、それぞれ発起人の方たちの得意なやり方って違うというか、絶対にこうしたらいいっていう方法はないんですよね。私は人と会うよりも、とにかくSNSで発信する。メールを送る。メッセージを書く。それに徹しました。メールも、絶対にコピペはしない。ひとりひとりに書く、というポリシーで。

 


<林さんと一緒に参加してくれたたまみちゃん>

 

(横山)林さんのその熱量は、本当にすごいなと思います。でも、人それぞれ違うって言われると、具体的に何をしたらいいか分からなくて…。

 

(林)でも、そうやって必死にやってると、まわりの人が盛り上がってくれたんですよね。少しずつまわりを巻き込んでいったというか。

 

(的野)「巻き込む」ってすごい大事です。私も、途中けっこうつらかったりしたけど、最後のほうは、私の知らないところでたくさん支援者が現れて、不思議なくらい金額が伸びたりしました。

 

(本橋)『グルジ』のプロジェクトは順調に支援金額が集まったように見えてましたけど、やっぱりつらいときもあったんですか?

 

(的野)いやー、つらかったですよ! やっぱり金額が動かない時期なんかは、どうしようかって思いましたもん。

 

(横山)そういうつらい時期をどうやって乗り越えたか、教えてほしいです。

 

(的野)私の場合は、ヨガもしましたけど(笑)、それに加えて、めちゃめちゃ走ってましたね。ランニングしてました。達成の瞬間も、ランニングしてるときでした。走り終わってスマホを見たら、えー、達成してる!って。

 

(林)私はつらいと思うヒマがあったら手を動かそう、と思ってました。とにかく、数を打つ。こういう人にアピールしたら支援してもらえるだろう、と思っても、それがぜんぜん当たらないことも多いし、逆に、お願いしてみたらすごく盛り上がって応援してくれた分野の人たちもいた。

 

(本橋)もう、とにかくなんでもやる、やれることは全部やる、って感じでした、私の場合。友達に声をかける。親に頼む。同窓会でチラシを配ってもらう。会社のメーリングリストを使う。こんなことしたら嫌われるかな、って思わなかったわけじゃないです。でも、そんなことで大切な関係が崩れたりしなかったですよ。

 

(古賀)あと、どのプロジェクトでも、絶対に「終わってから騒ぐ人」っているんですよ。えー、支援しようと思ってたのにもう終わっちゃったんですか!?っていう人。だから、何度もリマインドすることは大事だし、この『Julian Is a Mermaid』のプロジェクトが12月25日までですよ、ってことも、これからまだ何回も言わなきゃって思ってますよ。

 

(本橋)ですよね。じゃあ、12月25日までに、私たちに何ができるか、ちょっと作戦会議しましょうか……

 


<おしゃべりは尽きず、夜がふけていきます……>

 

***

 

と、いう感じで、実はこの後、すてきな作戦会議をしたのですが、その中身は秘密です。その作戦に従って、これからこのプロジェクトはどんどん盛り上がっていく予定ですので、どうか皆さん、こちらのTwitterをフォローして見守ってください!

 

発起人、横山和江さんのTwitter https://twitter.com/SUGO_ohanasi

応援団長、林真紀さんのTwitter https://twitter.com/releaseonly

サウザンブックス社のTwitter https://twitter.com/thousandsbooks

サウザンブックスPRIDE叢書のTwitter https://twitter.com/PRIDE_Thousands

勝手に応援してる人の会社のTwitter https://twitter.com/holahispanica

 

有限会社イスパニカ

http://www.hispanica.org/
 

本橋祈

 

 

2019/12/09 11:21