音楽評論家/DJ/中東料理研究家のサラーム海上さんが、『レベティコ』クラファンのときに引き続き、『レベティッサ』翻訳出版クラファンに応援メッセージを寄せてくれました!
コロナ禍に前作『レベティコ』を読んで以来、無性にレベティコの生演奏を聴きたくなった。この春、ようやくキプロスの首都ニコシアにあるレベティコ酒場「The Heart of the Maga」を訪れた。ここは1974年のキプロス紛争で北部から逃れてきた避難民が住み着いた地区にある。そして、「Maga」とは、レベティコの世界に生きる無法者「マンガス」を指す。
レベティス(レベティコを歌う男たち)が酒と煙草で枯れた声を響かせるなか、しばらくして、その晩の調理を全て終えた女将が厨房から現れ、普段着のまま、渋く鋭い金切り声で歌い始めた。初めて生で聴くレベティッサ(レベティコを歌う女性)だった。
帰国後、1世紀前に生きたレベティッサの歌を収めた4枚組CD『Women of Rembetika(レベティコの女性たち)』を手に入れ、聴き続けている。男たちの陰で、女たちは何を歌い、どう生きたのか。今回、日本語翻訳される『レベティッサ』から、あの声が聞こえてくる日が待ち遠しい。サラーム海上
レベティコ酒場「The Heart of the Maga」
「The Heart of the Maga」での演奏の様子
サラーム海上
音楽評論家/DJ/中東料理研究家/朝日カルチャーセンター講師。中東やインドを定期的に旅し、現地の音楽と料理シーンをフィールドワークし続けている。9冊の著書、雑誌やWEBでの原稿執筆のほか、ラジオやクラブのDJ、オープンカレッジや大学での講義、料理教室講師等、活動は多岐にわたる。選曲出演するJ-WAVE の中東音楽専門番組「Oriental Music Show」が2017年日本民間放送連盟賞ラジオエンターテインメント番組部門最優秀賞を受賞。コミュニケーション言語は英語、フランス語、ヒンディー語、日本語。群馬県高崎市出身、明治大学政経学部卒。
https://www.chez-salam.com/
サラーム海上さんの新刊
『グローカル・フーディー・ツアー 世界の隅々で食い倒れ』(阿佐ヶ谷書院)
『レベティコ』クラファンを応援してくれたサラームさんにぜひ『レベティッサ』翻訳出版クラファンも応援してもらいたいと思い、クラファンが始まる少し前に、TASTE THE WORLD新宿店でお会いしてきました。TASTE THE WORLDは、世界のさまざまな国の朝ごはんを期間ごとに食べられるレストランで、サラームさんとお会いしたきはちょうどギリシャの朝ごはんが特集されていました。8~9月はエルサルバドルの朝ごはんが食べられるようです。
僕らにはあまり馴染みがないけど、世界の別の場所にいる人たちの日常を垣間見せてくれるこういう場所って、めっちゃいいですよね。『レベティッサ』はバンド・デシネですが、まさにそういう体験が得られる作品です。残り日数が少なくなってきていますが、サラームさんも楽しみにしてくださっている『レベティッサ』の日本語訳、ぜひ実現したいと思います! 引き続きご支援・応援よろしくお願いします!
中東料理研究家の顔も持つサラームさんは、YouTubeの「SalamUnagamiChannel」で、中東料理を中心に世界のさまざまな料理のレシピも紹介されています。ぜひチェックしてみてください。
僕もちょくちょく拝見させていただいていて、サラームさんのレシピで、トルコ料理のジャジュックと坊さんの気絶を作ってみました。『レベティッサ』の舞台となるギリシャはトルコのお隣で、よく似た料理も多い様子。本作の中にもファソラーダというギリシャの伝統的な豆のスープが登場したりします。こういった細部もお楽しみに!