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精神疾患を抱える親と暮らす子どもに向けたドイツの児童書、
『悲しいけど、青空の日(仮)』(原題:Sonnige Traurigtage)を翻訳出版したい!

「自分一人で頑張ってもどうにもならないこともある。人に相談することは恥ずかしいことではないんだよ」 親子を支援する学校の先生や看護職、ワーカーの方にも読んでもらいたい一冊

田野中先生と同じように、精神障がいの親御さんと暮らす子どもさんへの支援を行っている『親&子どものサポートを考える会』の土田です。

6年前の9月、田野中先生のドイツ・視察研修に同行させていただき、DiakonieのSchrappe(シュラッペ)先生よりこの絵本の話を聞きました。

ドイツの子どもも日本の子どもと同じように、「親の病気について人に話すことは悪いこと・恥ずかしいこと」と感じています。そんな子どもに絵本の主人公・モナの体験を通して、「自分一人で頑張ってもどうにもならないこともある。そんな時、人に話すこと(相談すること)は恥ずかしいことではないんだよ」と伝え、具体的に第2部で、どんな風に振舞えば良いのか? 誰に相談すれば良いのか? と、対処法について説明していきます。ドイツでは、この絵本を子どものグループで用いることで、モナと同じような体験をしていないか、その時にどんな気持ちがしたか? を語り合い、子どもに「自分たちのとっている行動は間違ってない」と伝えたり、子どもが障がいを抱える親御さんとの生活の中で感じるさまざまな感情をフォローしているそうです。

日本にも同じように感じている子どもは、たくさんいます。そうした子どもがこの絵本を手に取ることで、モナから勇気や生活のヒントを得られるのでは? と思っています。この本は同時に、親子を支援する立場にある、学校の教員やクリニックの看護師・ソーシャルワーカーの方等にも読んでもらいたいと思っています。それは、子どもがモナのように相談した時に、ビクッとしたり怯んだりせずに、しっかり受け止めて、適切な反応を返して欲しいからです。子どもは大人の反応を見ています。相談した時の大人の困惑した表情から「やっぱり言ってはいけないことだったんだ」と再び、胸に秘めることにも繋がるからです。

ドイツからの岐路、飛行機の中で田野中先生からワクワクしながら読み聞かせをしてもらいましたが、翻訳の話はSchrappe先生を訪問したこの時に「日本語に翻訳して出版してもいいですよ」と快諾をいただき、子どもにも周りの大人にも使える! と密かに構想を練ってきました。この本の出版は、田野中先生の夢であり、私の希望でもあります。皆さん、どうぞ出版できるよう、応援してください。

最後に、絵本に出てくるタヌキ? アライグマ? のぬいぐるみ・マックスがいい味出しているんです。ほんとに、モナもマックスも健気で…。モナとマックスの話、皆さんも実際に手にとって読んでみてください。

親&子どものサポートを考える会 世話人代表

鈴鹿医療科学大学看護学部准教授 土田幸子

 

2019/07/22 12:27