image

出版不況にめげない!台湾の活力あふれる「独立書店」をまとめた
『書店本事 個性的な台湾書店主43のストーリー』を翻訳出版したい!

『書店本事』出版記念イベントを開催しました。

6月28日、台湾を思わせる蒸し暑さの中『書店本事』出版記念イベントが行われました。
前半は台湾文学研究者の赤松美和子先生と翻訳者小島あつ子によるミニトークショー。
台湾文学や歴史について知識があったら、『書店本事』に登場する書店主の語っていることをもっとよく理解できるのではないか、という小島さんの視点から「台湾の独立書店を取り巻く社会の面白さ」がテーマです。

赤松先生は「私は出版記念イベント招待付きのコースに申し込んでいて、誰のお話を聞けるのだろうとワクワクしていたのに、まさか自分がこの場でお話をするとは……」とおっしゃりながらも、清代末から現代の台湾文学(言語)の歴史を駆け足で振り返り、台湾の書店街を駆け抜け、会場内を一気に引き込んでいきます。台湾の歴史的経緯が多様性や寛容さを生み、それが現在の独立書店文化にも繋がっていることがよく分かる解説でした。台湾独自の文学イベント「文学キャンプ」(文学愛好家のための参加型文学研修合宿)についてはご自身の体験も交え、台湾の作家の活動や読者について臨場感あふれる貴重なエピソードをお話いただきました。

赤松先生から小島さんへの質問は、クラウドファンディングにチャレンジしようと思った動機や達成までの苦労について。「こんなに面白い本が出版されないなんておかしい!」という強い思い、また、映像とセットで読んで(見て)欲しかったことなど、改めて作品への思いやサウザンブックスとの出会いを振り返りました。
クラウドファンディングがスタートしてからは「大変ではあったけれども支援者の皆さんが支えてくれて、決して一人ではないと思えた。『書店本事』は支援者のみなさんと一緒に作った本です。」とお礼で締めくくりました。


会場には表紙デザインのボツ案(と言うにはあまりにももったいない表紙案)なども並べられており、デザイナーの山口さんが表紙や本文デザインに込めた思いについて熱く語る一幕も。表紙の色も本文の版面(ハンヅラ:文字や図版の入る領域)もすべて考え抜かれ、一つ一つに意味があるんです。


もう一人の翻訳者、黒木夏兒さんは台湾の独立書店巡りの真っ最中で、残念ながらイベントには不参加でした。会場の皆さんにメッセージを、とお願いしたところ、「facebookページ「プロジェクト・たいわにっく~有臺灣味計劃~」に書店本事聖地めぐりのレポートをあげているので、そちらを是非見てください!!」とのことです。とても楽しくて詳細な独立書店レポートが読めます。
https://www.facebook.com/project.taiwanic/

懇親会では、参加者のみなさんの台湾愛についてお聞きしたり、台湾映画や文学についての情報交換をしたり、穏やかで暖かい会となりました。お忙しい中ご参加くださりありがとうございました。


赤松先生にはプロジェクト中にも応援コメントをいただいていますので、こちらも合わせてご覧ください。
「エッジのきいた43の本屋さんの物語-個としての台湾との対話の場」
https://greenfunding.jp/thousandsofbooks/projects/2321/activities/6195

 

2019/07/04 12:13