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アジアで書かれた文学をもっと世界へ届けたい!
フィリピン発の本格ミステリー小説
『Smaller and Smaller Circles(仮:迫る包囲網)』を翻訳出版したい!

『Smaller and Smaller Circles』のアメリカの出版社であるSoho Pressから応援メッセージが届きました!

Soho Pressは中村文則さんの『掏摸(スリ)』の英訳版『The Thief』を出版し、大成功に導いたことでも知られるアメリカの独立系出版社です。『The Thief』は米国Amazonの「月間ベスト10小説」や、ウォール・ストリート・ジャーナル紙の2012年「ベスト10小説」「ベスト10ミステリー」にも選ばれました。

そのSoho Pressの辣腕編集者であるジュリエット・グレイムスさんとアマラ・ホシジョウさんが、『Smaller and Smaller Circles』の日本での翻訳出版を応援して、本書の魅力を語ってくれました。ジュリエットさんは中村文則作品を米国に広めた立役者で、日本語も堪能です。ぜひ映像をご覧ください。

 

 

■ジュリエットさんからのメッセージ

こんにちは、Soho Pressで編集を担当しているジュリエットです。私にとって『Smaller and Smaller Circles』はとても大切な本です。

アメリカでの出版を決めたとき、本書はすでにフィリピン本国で国民文学賞をはじめ数多くの賞を受賞していました。フィリピンの出版史上もっとも重要な作品のひとつです。

 

フィリピン「初」の犯罪小説として知られていますが、単なる犯罪小説ではありません。警察のあり方や貧困問題への取り組みなど、あらゆる社会問題を取り上げ、疑問を投げかけています。

重要な意義をもつこの作品がアメリカに限らず、世界各国で読まれていることはとてもうれしいことです。

 

この表紙(※映像内で紹介されている本)をご覧いただければわかると思いますが、フィリピン本国では本書をもとにインディペンデント映画が製作され、現地では大きな話題となっているようです。本書を出版したことを改めて誇りに思っています。

 

■アマラさんからのメッセージ

ジュリエットと一緒にクライム小説を担当しているアマラです。

この本を読んだとき、ジュリエットがなぜこの本をアメリカで出版しようと思ったのか、すぐにわかりました。よくあるミステリー作品とは違って、ただダークで暴力的というわけではなく、信仰がフィリピンの緊密な社会にいかに浸透しているかということ、そして社会が抱える病を明らかにしているからです。

 

それから、私はこの本の主人公の2人も好きです。2人とも神父で、信仰がひとつのテーマでもある本書にぴったり。主人公のひとりはシャーロック・ホームズを少しだけ彷彿とさせるのですが、物語に描かれている世界はシャーロック・ホームズとはまったく違います。

2018/01/22 17:17