こんにちは。発起人の荒木美弥子です。コミック『ヴィアッジョ イタリア』翻訳出版プロジェクトにご参加いただき、ありがとうございます。
人生を豊かにする食のあり方を伝え続ける料理家、中島芙美枝さんが、ご自身の体験から感じた多様性とはー。
料理家の中島芙美枝です。現在は料理家として、人生を豊かにする食のあり方を伝えています。多様性と叫ばれる現代においてでも、日常の中でそれを感じることが少ない日本に住んでいると、ついつい世界は広く可能性に満ち溢れているということを忘れてしまいがちになるります。発起人の荒木さんから「Viaggio Italia Around the World」の話を聞いた時、そんな私の目をぱぁっ!と覚ましてくれるような、そんな感覚を覚えました。
元々、私は海外の大学を卒業し、国内外でメディアの仕事に携わっていたこともあり、多感な十代後半から二十代を様々な文化や背景をもつ人々と関わるような環境に身をおいていました。この話を聞いた時に思い出したのは、大学時代に知り合った義足の男子学生でした。彼は何らかの理由で義足の生活を送っていたのですが、それを隠すこともなく堂々としていて、いつも友人に囲まれ、可愛らしいガールフレンドもいる。休暇には友人と一緒に旅行も行くし、ビーチでもありのままで過ごしている。本当に周りとまったく同じ生活を送り、周りもそれを何てことなく受け入れていたのです。
彼と、ルカとダニーロが私には重なり合って見えてきました。かけがいのない出会い、周りのサポート、そして前向きに挑む姿。私の学生時代のその出会いは、おそらく私の根底にある当たり前大きく変えたのかもしれないな、と今あらためて気づかされました。
漫画ではルカとダニーロの冒険が、紙面から飛び出してくるようにエネルギッシュに描かれ、登場人物の表情もとてもダイナミックです。この漫画を通して、少しでも多くの日本の人々が、私が当時体験したような感覚を味わってもらえたら、きっとこれからの人生を支える価値観に出会えるのではと思います。多くの人々にこの物語がとどきますように!
Fumie Nakajima / 中島芙美枝 料理家
北海道で生まれ育つ。舞台芸術の世界を夢見て渡米。大学卒業後、NY、東京の外資系メディア会社に勤務。体の不調をきっかけに、やまと薬膳オオニシ恭子師に食養を学び、その後、独立。食養生の知恵・知識をベースに、様々な視点から現代社会にあった食のあり方を提案している。ナチュロパシック・デトックスアドバイザー、和食文化継承リーダー、voicy「オトナの食育ラジオ」パーソナリティ。著書に「一汁一菜からはじめる 野菜でととのうヴィーガンレシピ」