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舞台は昭和11年の台中市。
ひっそりと咲く少女たちの恋
台湾発の百合漫画『綺譚花物語』を翻訳出版したい!

制作状況のお知らせ(その2):台湾の双子先生への質問を重ね翻訳原稿の推敲中!

 『綺譚花物語』の翻訳は、台湾の双子先生との質問事項の遣り取りが終わり、いよいよ詰めの段階に差し掛かりつつあります。訳文を流し込んだ原稿も少し上がってきて、日本語で駄々をこねる詠恩や日本語でクールに皮肉を言う英子がリアルな存在に!

 実は最初の質問一覧を送った時、私はまだ太平林家と東大墩林家のモデルを、同じ林姓の霧峰林家ただ一つと思っていました! ところが質問の回答待ちをしている間にガイドブックの調べ物をしていたところ、もう一つのモデルが浮かび上がってきたのです!!
 台中駅の南側、櫻町から花園町に掛けて広大な屋敷を構えていて、「ランイン」という博学なお妾さんと「イエンション」という女流詩人なお嬢様がいて、なおかつ昭和11年から静かに没落を始める「太平呉家」の存在が!!
 このエリアには天外天劇場という日本時代の劇場があって、それが最近では素敵な廃墟になっていて、その廃墟は『昨夜閑潭夢落花』の水たまりの中にも姿を現している、というのは知っていたんですが(残念ながら去年の年明けくらいに今の持ち主が取壊しを強行し、なくなってしまいました)、まさかその劇場が元々は呉家の庭に建てられたプライベートな劇場で、しかもその劇場のオーナー情報も書かねばと調べ始めた先で、林家を調べただけでは出てこなかったミッシングリンクがバンバン出てくるとは!!!

 今回、ガイドブック作ります、と言っていてよかったなあと、しみじみ思っています。だって作ってなかったら、たぶんこれ、私気付いてませんよ! 気付かないままの翻訳で日本語版出していますよ!
 こういうところがやっぱり、そこの国の歴史がある程度基礎知識として入っているかいないかの違いなんだなあと思います。私の知識はやっぱりどうやっても後付けの蓄積であり、興味の湧いたところにピンポイントで竪穴を掘っている感じなので、全体をなんとなくでも理解しているみたいなベースが構築できていないなあというか。

 そしてガイドブックは順調に当初の台割をふっ飛ばし、ページ数が限りなく増大しつつあります。80ページくらいかなーとか言っていたのは誰でしょうね、ええ。今のところ、予定ページ数が160くらいになりつつありますが、もはや200ページくらいのものを印刷所に送る辺りまでは覚悟を決めました。
 地図の方もカラフルな地形図とか歴史なマップが着々と作成進行中。
 これはガイドブックなのか?とデザイナーさんともども首を捻っていますが、あくまでもガイドブックのつもりなのでたぶんガイドブックでいいはずです。グルメ情報(昭和11年と現代両方)やショップ情報(昭和11年)、宿泊情報(いちおう昭和11年と現代両方)も載っているのでガイドブックの定義からそこまで外れてはいないような気がするたぶん。

 なお、この春からしばらく創作系イベントに「プロジェクト・たいわにっく」として参加予定です。
 3月5日の土曜日に浅草橋で開催の「旅チケット」には、『書店本事』の書店を実際に巡ってみた聖地巡礼本を持っていきます。その時に書店でスタンプを押したりサインをいただいたりした世界に一冊のマイ『書店本事』もブースで展示予定。
 南天書局から発行の復刻地図には、今回国会図書館で散々お世話になっています。

 その後、4月3日の日曜日開催の「JGARDEN」には、間に合えばですが『綺譚花物語』の無料配布紹介冊子みたいなのを作って持っていきたいなと。たぶん16ページくらいで。
 この紹介冊子はJGARDENで間に合わなかった場合も、その後のゴールデンウィークのコミティア東京、5月末の文学フリマ東京で配布予定です(チラシ置いてくださった書店さんにも置いていただけるようなら置いていただこうかと。年明け以来ご挨拶にも全然行けていなくて申し訳ありません!!)。

黒木夏兒

 


皆様への本のお届け時期は、2022年の4月下旬以降を予定しておりますが、また時期が具体化して参りましたらお知らせ致します。お届けまで、もうしばらくお待ちくださいませ!
 

2022/02/10 12:09