image

クトゥルー神話ファン待望!
怪奇と幻想の豪華短編集『グラーキの黙示』を翻訳出版したい!

発起人あいさつ 森瀬 繚より

 こんにちは。『グラーキの黙示(仮)』翻訳プロジェクト発起人の森瀬繚と申します。
2005年発売の『図解 クトゥルフ神話』(新紀元社)以来、かれこれ15年以上にわたりクトゥルー神話ジャンルに関わって参りまして、2010年代からは小説作品などの翻訳にも携わっております。

 3月頭にスタートしたこのクラウドファンディングですが、数週間で70%越えという破竹の勢いでご支援をいただきました。当然ながら、これはラムジー・キャンベルという第二世代クトゥルー神話作家への期待をそのまま反映したものなのでしょうが、これまでは複数作家の作品を収録したアンソロジーの形で紹介されることの多かった神話小説を、きちんと作家別にまとまった形で読みたいという需要の裏返しとも受け取っております。

 ラムジー・キャンベルの作品集を出そうと思い立ったのは、かれこれ10年前、2012年春のことです。「ミスカトニック・コレクション」という叢書的シリーズの企画書に、「『新訳H・P・ラヴクラフト作品集』」「リン・カーター作品集『クトゥルーの子ら』」に並び、「ラムジー・キャンベル作品集『ブリチェスター・クロニクル』」が挙がっております。(ちなみに、リン・カーターの作品集については『クトゥルーの子供たち』のタイトルで2014年にKADOKAWAから、H・P・ラヴクラフトの新訳作品集については2017年以降、「新訳クトゥルー神話コレクション」シリーズとして星海社から、それぞれ実現に至っております)
 キャンベル作品集については、翻訳家の尾之上浩司さんが、ラムジー・キャンベル氏の未訳作品を複数収録する『クトゥルフ神話への招待』シリーズ(全2冊、扶桑社ミステリー)を刊行されたことで一時的に棚上げとなっておりました。その後、2016年頃にこちらが版元品切れとなったことを受けて、尾之上さんの訳した作品も含める前提の作品集として新たに『セヴァン・ヴァレーの戦慄』の企画書を書き起こし、10近くの版元に営業をかけて参りました。
 その後、2016年頃にこちらが版元品切れとなったことを受けて、尾之上さんの訳した作品も含める前提の作品集として新たに『セヴァン・ヴァレーの戦慄』の企画書を書き起こし、10近くの版元に営業をかけて参りましたが、ついに刊行には至りませんでした。

 いや、そんなことはない。価格が高かったり、作家の知名度が低かったりということはあるかもしれませんが、今日、知られているクトゥルー神話の根幹を担っているラムジー・キャンベルほどの作家ともなれば、読みたい読者はいくらでもいるはず──。
 かくして、「こうなればクラウドファンディングだ!」と心を決めた筆者は、幸いにも尾之上浩司さんからもご賛同をいただきつつ、サウザンブックスさんに今回の書籍企画を持ちかけるに至ったというのが、ここまでの経緯となります。

 さて、残すところ丸2ヶ月。このプロジェクトが実現しないとなりますと、そのこと自体が各版元の判断材料となり、翻訳権の切れていないクトゥルー神話小説の商業刊行は今後、非常に難しくなってしまうかもしれません。
 発起人にとって、このクラウドファンディングは「最後の手段」です。
 ぜひとも、ご支援をいただけますようよろしくお願い申し上げます。

森瀬 繚(もりせ りょう)
 

 

2021/03/26 10:32