2019年のお盆、初回妊婦健診で検査をしたクリニックから電話がかかってきました。
「トキソプラズマの検査で陽性になりました」
トキソプラズマって、任意の検査項目でなんとなく受けたやつ……?
ネットで検索してみると、どうやら生肉や猫の糞から感染するものらしい。
そして胎盤を通して胎児に悪影響があり、最悪の場合、流産になるらしい。
私がぎょっとしたのは、それが受精をする頃の感染であっても胎児に影響が及んでしまう可能性はかなり低いとはいえゼロではないということでした。
子どもを授かりたいと思ってたくさんネット検索をしたけれど、妊娠前から生肉・土の着いた野菜等は気をつけなければならないなんて聞いたことがありませんでした。
アルコールやタバコは、胎盤が出来る前の妊娠初期であれば大丈夫だと書いてあるサイトを見たことがありました。
何となく妊娠したら生ものを食べない方が良いと聞いたことはあったけど、それも胎盤が出来る頃だろうと思って、それほど気にしてもいませんでした。
つわりがきてからは、生肉に触れることはもちろん八百屋に近づくことさえも吐き気で出来なかったから大丈夫なはず。
だけどそれより前の時期は、絶対に生肉を食べていないとは言えませんでした。
私は涙が止まりませんでした。
この命を失うのではと思うと怖かったし、生まれてきても私のせいで重いハンデを背負わせてしまうのかもしれないと、何日も泣き続けました。
私はただただ自分を責めることしか出来ませんでした。
その後信頼できる医師に出会い、薬を飲んで、2020年2月に息子は無事生まれました。
そしてようやく2021年2月、1歳を迎えて晴れてトキソプラズマによる影響がなかったと確定しました。
母子感染の1番つらいことは「自責の念」ではないでしょうか。
自分が知ってさえいれば防げたという事実が、私は何よりもつらかったです。
どうして今まで知らずにきてしまったのだろう。もう誰もこんな思いをしてほしくない。
サイトメガロウイルスも、トキソプラズマと同じ母子感染症のひとつです。
そして子どもの尿や唾液から感染してしまいます。上の子から感染することも多いため、さらに家族は苦しい思いをすると思います。
しかもトキソプラズマと違って妊娠中に出来る治療法はまだありません。
妊娠前から知らなければ予防できないでしょう。妊娠が分かってからでは遅いです。
だから妊娠を考えていないような若い人でも誰でも、当たり前のこととして母子感染予防の知識を持っていなければならないと思います。
待合室にある絵本を子どもに読んであげて知る、絵本を買いに来て目に留まる、
保育園や学校で読んで何となく覚えているそんな風に日常生活の中で自然と"知ってること"になれば素敵だなと思います。
「エリザベスと奇跡の犬ライリー」の絵本化が実現できるよう、応援しています。
協力会員あそおあゆみ