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壊れた母娘関係を正視し、家族の傷を癒すドキュメンタリー
『我和我的T媽媽(同性愛母と私の記録・仮)』を翻訳出版したい!

クラウドファンディング成立への決意を新たに!台湾クィア・ドキュメンタリー映画鑑賞記(発起人より)

■9月30日イメージフォーラム・フェスティバル2020
10代のゲイの少年を追った『美麗少年』(98)を鑑賞。
日本にも共通する、どこか懐かしい90年代を背景に、3人の少年と、彼らの家族や友人たちが登場し、カメラに向かってかなりプライベートなことをオープンに話す。老婆心ながら「え、そんなこと喋っちゃって、大丈夫?」と心配になるほどだ。

未知の世界に身を置く息子を案じる母、「いじめられないように応援してやれって先生も言ってた」と打ち明ける友達、皆で撮ったプリクラを大事そうに手帳に貼る日常の一場面。さりげないセリフやシーンに涙が出てしまった。


■10月11日宇野港芸術映画座・海外短編特集(オンライン)
『父と僕のこと(原題:與父親的安好)』(20)を鑑賞。今回がワールドプレミア上映。

世代間の価値観の変化や、相互理解の難しさ、それでも互いに折り合いを付けようとする父とゲイの息子の日常を映像に収めた作品だ。まだ若いジェイ・チェチュン・リー(李捷群)監督は、『日常対話』に影響を受けたという。

息子がゲイであること、台湾で同性婚が合法化されたこと…祖父・父・息子の三代の価値観の違いに、同性愛という言葉ができる以前から、同性婚を公の場で議論できる現在まで、緩やかな変化が透けて見える。

合法化されたからといって、個々の考え方がカチッとスイッチを切り替えるように変わるわけではない。価値観の変化はあくまでグラデーションなのだ。そして当事者のクローゼットのほかに、家族のクローゼットというのも存在するのかもしれないと気付かされた。それは並んでいるのか、それとも入れ子なっているのか?


図らずもこのクラウドファンディング実施期間中に、『日常対話』が駆け抜ける社会的背景をもつ台湾のクィア・ドキュメンタリー映画を見ることが出来たのは、奇跡的だったような気がします。

同性愛者の存在が、自分たちの社会のストーリーとして認識された『美麗少年』に始まり、同性婚合法化の議論が進む社会を背景に発表された『日常対話』はやがて、父と息子の姿を通し、合法化後の価値観の変化を俯瞰する『父と僕のこと』へと繋がりました。

いずれの作品も、ごく個人的なストーリーであり、リアル社会の赤裸々な記録。1998年から2020年まで、3本の作品がつなぐ、台湾クィア・ドキュメンタリー映画の流れが色鮮やかに、強烈に胸に迫ってきた瞬間でした。

日本より二歩も三歩も先を行く台湾社会。だけど、いきなり今の状態がバシッと現れたわけではありません。『同性愛母と私の記録・仮』の母・アヌさん一家の物語は、台湾のたどった道を、結果だけでなくその過程をも、個人の視線を通して知らしめる作品。この企画の持つ意味を再確認し、何が何でもクラウドファンディングを成立させなければ!と決意を新たにしたのでした。

発起人:小島あつ子

 


参加者数は100名を超えて、達成率は1/3ほどとなりました!
プロジェクト終了までは残り1ヶ月。

いまご参加いただいている皆様がお2人ずつ周囲の方にお声がけくださいましたら、
ぐんとプロジェクト成立が近づいてまいります。

情報拡散へのお力添え、何卒、よろしくお願い申し上げます!

2020/10/21 11:03