シニア女性映画祭では2017年に「日常対話」をロングバージョンで上映しました。
台湾女性映画祭で監督とお会いしたことは、懐かしい思い出です。
以下、プロジェクトへの応援メッセージです。
なんの予備知識もなく開演直前の劇場にとびこみ、映画「日常対話」を見た。最初から最後まで、予測のできない展開に、緊張して見入った。ずっしりと重たい映画だった。台湾らしい映画だとも思った。台湾らしいと思ったのは、こんな重たい内容なのに、登場人物にどこか南国台湾のカラッとした率直さを感じたからだ。韓国や日本ではこうはいかないと思う。
映画の冒頭、黒のタンクトップと黒の短パン姿の中年女性が足を投げ出してソファーに座り、見るともなく前を見ている。手に持った携帯をソファーに軽くたたきながら。そこへ「母さん、私が結婚したらどうするの?」と娘の声。こうして母と娘の対話がはじまる。娘はどうしても母に聞きたいことがあった。真実を確かめずには母に向き合うことはできない。20年後にようやく娘はその問いを発することができた。それほど苦しい体験だった。「お前が私を憎んでいることはわかっている。」「憎んでなんかいない。」
この映画のテーマは重層している。映画を見ると、主題以外にも、知りたいと思うことがいろいろ出てくる。同性愛の母親の姉弟に娘がカメラを向ける。「私の母が女の人が好きなことを知っていた?」「知らない。」誰もいないところで別々に聞いているのに、3人とも同じ答え。そしてすぐに話題を変える。台湾では同性愛はオープンであるのに、タブーなのか。10代の姪は「LGBTは当然の権利。だれでも愛する権利はある」という。その社会的背景は?台湾のDVの現状は?台湾の性暴力の現実は?台湾の葬礼、墓参りなど民俗風習の守り手は?etc.興味は果てしなく続く。
私はこの映画は「愛の告白」の映画だと思う。母と娘、母と同性の恋人たち、母とその姉弟。それぞれの表現法はちがう。映画の最後のシーン。娘の幼い女の子が「おばあちゃん、私を好き?」と聞く。「好きだよ。」「おばあちゃん、私を好きだって」とうれしそうに振り返る。「この映画は母へのラブレター」と監督は言う。つらい真実に迫るこのドキュメンタリーが、世界各国の女性映画祭で上映され、熱狂的に迎えられたのも、真実+「ラブレター」だったからではないだろうか。「母へのラブレター」は、多くの女たちを勇気づける「世界の女たちへのラブレター」として受けとめられたのである。
緊張し、興味のつきない映画「日常対話」。それが本になった。映画では語り切れなかったことを著者は書いたという。私は、その本の日本語訳『同性愛母と私(仮)』(DVD付)をクラウドファンディングで出版する企画を知って、とてもうれしかった。「女たちへのラブレター」であるこの本。ぜひ読みたい。一人でも多くの女たちの協力で出版が実現することを願って、友人にファンディング情報を広めている。 (三木草子)
ほんの出版を応援します。
最近は本を買うことが少なくなりましたが、この本は必ず購入します。映画だけでなく文章を読むことで新たな発見があると思います。
甘いお菓子を買うのを控え、心の栄養になる本を買いましょう。(佐藤朋子)
台湾のドキュメンタリー映画「日常対話」。母娘の対話から性の多様性を受け入れない社会が家庭内暴力、性虐待をうむことが見えて来る。
語られる一言一言に重さがある。その重さがなんなのか、をほり下げるためにも本の出版を期待しています!(山上千恵子)
出版の応援をすることは初めてで、とてもワクワクしています。
映画はもちろん見ていますが、大事な場面をよく見落とすので、本からの感動を楽しみにしています。(正木美津子)
シニア女性映画祭は、シニア女性監督の作品、シニア女性を描いた作品を上映し、毎年開催する映画祭です。2012年、70歳直前の3人のシニア女性が、テレビで毎日「この女性何歳に見えますか」というCMにうんざりして、「高齢女性のしわも白髪もその人の人生を表して美しい。多様な生き方をしている高齢女性を大きなスクリーンで見せよう!」と、始めたのです。字幕翻訳は自分たちで行い、友人のボランティアの助けを借りて開催する、手作りの映画祭です。2017年、第6回の映画祭で「日常対話」を日本初上映しました。第9回目の今年はウーマン・リブから50年、「彼女たちがいたから。」をテーマに11月14,15日、大阪府豊中市で開催。詳しくはHPとblogでご覧ください。
HP:http://sister-waves.fem.jp/
blog:https://sisterwave.exblog.jp/
参加者数はもうすぐ100名に!
プロジェクト終了まで残り1ヶ月ほどになりました。
SNS等での情報拡散を、何卒宜しくお願い申し上げます!