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壊れた母娘関係を正視し、家族の傷を癒すドキュメンタリー
『我和我的T媽媽(同性愛母と私の記録・仮)』を翻訳出版したい!

9月29日夜に、オンラインイベント・『日常対話』等を語る会を開催しました。

クラウドファンディング中の台湾の本『同性愛母と私の記録・仮』には、ふたつの映像作品があります。ひとつは長編映画『日常対話』で、もうひとつは映画をテレビ放映向けに編集した『母と私』(NHK放送時のタイトル)です。

 

幸いにも、映画はこれまで4つの団体により、東京と大阪で上映されてきています。この日は、「上映をした方」と「それを鑑賞した方」にお声がけさせていただき、沢山のお話をうかがうことができました。

 

2016年製作、2017年に台湾で公開された『日常対話』を、同年11月に日本でいち早く上映したのが、シニア女性映画祭です。きっかけはソウル国際女性映画祭での偶然の出会いでした。そして、翌年3月に東京で初めて上映されたのがAMSEA(東京大学|社会を指向する芸術のためのアートマネジメント育成事業)主催のイベント。そしてそこから派生したスモールトークプロジェクトによる上映があり、その後、2018年12月東京ドキュメンタリー映画祭で上映され、さらに今年8月に東京ドキュメンタリー映画祭inOSAKAで再上映されました。

 

「上映をした方」として、シニア女性映画祭の三木草子さん、佐藤朋子さん、正木美津子さん、そして映画監督の山上千恵子さん、AMSEA上映時にアフタートークに登壇された三重大学の劉靈均先生、東京ドキュメンタリー映画祭を主催しているneoneoの佐藤寛朗さんの6名に、そして「鑑賞した方」として中華圏のアートやアングラ音楽を追い続けているOffshore(https://offshore-mcc.net/)の山本佳奈子さんと編集・ライター/ゲイ活動家の山縣真矢さんにご協力いただきました。

 

・想像を超えたストーリーに、最初から最後まで惹きつけられた

・葬儀や、廟の舞台裏など、台湾の民俗文化がカメラに収められているのは貴重

・個人的な問題を可視化するのは、すごく勇気のいること

・アヌの歴代の女友達(彼女)へのインタビューから、シングルマザーとして生きた時代背景がうかがえる

・性の多様性、女性の社会的規範などが浮き彫りになり、個人の問題が、社会が考えるべき問題として問いかけられている

・社会構造や社会問題をきちんと押さえているところ

・非常に丁寧に撮られた作品

・普遍的な力を持った作品/自分の親(父親、母親ともに)のことを考えた

・ホウ・シャオシェン作品をはじめ、ビー・ガン監督やジャ・ジャンクー監督など中華圏の著名な映像作家の作品に引っ張りだこの林強が、本作の映画音楽を担当しているのも注目ポイント

・母アヌの表情がとにかくいい!

 

それぞれの立場でお話しくださった、作品や作品対する思い、そして作品に関連する様々なトピックスは、どれも本当に興味深く、そして作品のもついろんな要素を捉えるきっかけになったと思います。

 

女性映画であり、LGBT映画であり、台湾土着の民俗文化や社会構造をカメラに収めた作品でもある『日常対話』。作品が内包するさまざまな魅力を俯瞰し再認識できた、濃密な時間となりました。

 

ご参加くださいました皆様、ありがとうございました!

 


シニア女性映画祭(ウェブサイト: http://sister-waves.fem.jp/

65歳以上が女性の1/3を占めるのに、「みえなくされている」高齢女性。そんな女性の多様な姿をスクリーンで見せるべく、2012年に誕生した「シニア女性による、シニア女性のためのシニア女性についての映画祭」。

■『日常対話』が上映された2017年のフライヤー

http://sister-waves.fem.jp/img/2017_01.jpg

http://sister-waves.fem.jp/img/2017_02.jpg

 

 

AMSEA(ウェブサイト:https://amseaut.blogspot.com/p/news.html

東京大学の社会を指向する芸術のためのアートマネジメント育成事業。

2018年3月の上映では、2回の『日常対話』上映と、それぞれに趣旨の異なるアフタートークが行われた。

■『日常対話』が上映された際のサイト

https://amseaut.blogspot.com/2018/02/amsealiving-togther-2.html

 

 

スモールトーク・プロジェクト(ウェブサイト:https://smalltalkinf.wixsite.com/stp2018/home )

AMSEA(社会を指向する芸術のためのアートマネジメント育成事業)第一期修了生有志により、2018年6月に設立。『日常対話』はSpace Cafeポレポレ坐を会場に、映画上映、アジア女性アーティストによる現代アート作品の展示、参加型アフタートーク(哲学カフェ)の三部で構成された。

 

 

東京ドキュメンタリー映画祭(ウェブサイト: http://tdff-neoneo.com/

日本で唯一のドキュメンタリ―カルチャーマガジン「neoneo」が主催する、2018年に始まったドキュメンタリー映画の映画祭。『日常対話』は記念すべき第1回目の長編コンペティション部門で上映された。

■『日常対話』が上映された2018年のフライヤー

http://tdff-neoneo.com/tdffneosys/wp-content/uploads/2018/11/tidf2.pdf

 

 

2020/10/02 11:32