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若いLGBTの声を元に書かれた
スペインのゲイ小説「ぼくを燃やす炎」を翻訳出版したい!

第26回レインボー・リール東京が開催中! 広報担当の樋口康さんに聞いた 映画祭でセクシュアル・マイノリティが見つけた自分の居場所

こんにちは。サウザンブックス『PRIDE叢書』です。ボクモヤこと「僕を燃やす炎」プロジェクトをご支援いただき誠にありがとうございます!

7月8日(土)より7月17日(月・祝)まで開催されている『第26回レインボー・リール東京~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~』、広報担当の樋口康さんに映画祭の楽しみ方や歴史についてお話を伺いました。

 


 

今年で26回目を迎えたレインボー・リール東京。世界各国からセクシュアル・マイノリティに関する作品を集めて上映するこのフェスティバルも今ではすっかりおなじみになった感がある。広報担当の樋口康さんに映画祭の楽しみ方や歴史についてもレクチャーしてもらった。“とっておきの1本”を探しに映画館に行こう!

 

始まりは中野サンプラザの一室

 

宇田川しい レインボー・リール東京はすっかり夏の定番イベントになって楽しみにしている人も多いと思います。

 

樋口康(レインボー・リール東京運営委員会) 第1回は1992年、日本のゲイアクティビズムの源流の1人でありゲイ雑誌『アドン』の創始者としても知られる南定四郎さんたちの呼びかけで始まりました。当時は素人が字幕を付けて上映するのも素人という手作り感のあるイベントだったんですが、次第に本格的になっていきました。動員も当初は900人ほどでしたが最近では毎年平均5000名前後へと増えています。特に昨年は、セクシュアル・マイノリティにスポットライトを当て、市井の人々を含む多彩なポートレートを様々なフォトグラファーが撮影し、5年間で10,000人のギャラリーを目指すプロジェクトのOUT IN JAPANとコラボした効果もあって1万5000人の参加がありました。

 

宇田川 中野サンプラザから青山スパイラルってすごいオシャレ感アップですよね(笑)。今年はどんな作品が集まっていますか?

 

樋口 青春ものや家族ものなど感動作が多いです。それと、これは例年ですが基本的にハッピーエンドの作品を集めるようにしています。

 

宇田川 ひと昔前のゲイ・フィルムやゲイ・ノベルって悲劇的なものが多かったですもんね。HIVが大きなテーマになっていたということもあると思いますが。セクシュアル・マイノリティが希望を見出せるようにということですね。

 

樋口 そうですね。それからさまざまなセクシュアリティを描いた作品をバランスよく集めるようにしています。もともと「東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」だった名称を2016年から「レインボー・リール東京~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~」に改めたのも多様なセクシュアリティを扱っていこうという意味からです。

 

映画祭で見つけた自分の居場所

 

宇田川 レインボー・リールに限らず映画祭っていろいろありますけど、行ったことないって人も多いと思うんです。映画祭の楽しみ方ってどんなものなんでしょうか?

 

樋口 私自身はレインボー・リールにボランティアとして関わるようになってから10年以上になります。はじめて観客として参加したときに会場の一体感というか心地よさを感じてボランティアをしたいと思ったんです。作品を楽しむのはもちろん会場のそんな親密な雰囲気も楽しんでもらえばと思います。

 

宇田川 欧米の劇場なんかだと作品を見終わって、たまたま隣席になったぜんぜん知らない人とちょっと感想を言い合ったりしますよね。そんな感じに似てるのかな。

 

樋口 じつを言うと私はコミュニケーション障害ぎみなところがあるんですよ。2丁目のお店なんかには一歩も足を踏み入れられないみたいな感じ。ボランティアにも似たようなタイプが多くて、お店にフライヤー置きにいくのもビクビクみたいな(笑)。そんな私がたまたま、雑誌『ぴあ』でこの映画祭を知って見に来たときに、とても居心地が良くて、自分の居場所を見つけた気がしたんですよね。

 

宇田川 これまでレインボー・リールで紹介してきた作品の中で樋口さんのイチオシはなんですか?

 

樋口 むずかしいなあ! それぞれの作品に魅力がありますからね。あえて1本上げるならアンドリュー・ヘイ監督の『ウィークエンド』かな。

 

宇田川 ゲイの週末の日常を淡々と描いた作品ですよね。HIVとか差別とかといった特別な問題をテーマにしたわけじゃないんだけど見せるゲイ・フィルムっていう。

 

樋口 ゲイ・フィルムでこれだけクォリティが高い映像は見たことなって印象を受けましたね。昔のゲイ・フィルムってどこか低予算のニオイがしたけどそれがない。ゲイの日常をリアルに描いてるんだけどちょっと夢を見させてくれるような、そんな作品なんです。

 

宇田川 なるほどー。樋口さんのとっておきの1本ですね。

 

樋口 なにかを与えてくれる特別な映画って人それぞれにあると思うんですよ。自分のとっておきの1本を探しに、ぜひレインボー・リールにお越しください!

 

「レインボー・リールも『ぼくを燃やす炎』を応援しています!」

 


第26回レインボー・リール東京~東京国際レズビアン&ゲイ映画祭~

2017年7月8日(土)~14日(金)  シネマート新宿 ※夜間のみの開催

2017年7月14日(金)~17日(月・祝) スパイラルホール(3F)

http://rainbowreeltokyo.com/2017/

 

2017/07/11 11:29