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鬼才ホドロフスキーと神絵師ミロ・マナラ
名作バンド・デシネ『ボルジアの血脈』を
翻訳出版したい!

『ボルジアの血脈』クラファン発起人・鈴木賢三より来年2026年へ向けての抱負

『ボルジアの血脈』クラウドファンディングをご支援くださった皆さま、こんにちは。発起人の鈴木賢三です。あらためまして、ご支援、ありがとうございました。

クラファンが成立し、このようなご挨拶ができるのも、ひとえに、皆さまのご支援のおかげです。本当にありがとうございます。

 

さてさて、2025年もあと残りわずかとなりました。月並みですが、月日の経つのはホント早いですね。ぼんやりしていると、あっという間に、一日が終わってしまいます(泣)

それでも、今年、ボクにも三つ大きなことがありました。

 

一つ目は、もちろん、皆さまのおかげで成立した『ボルジアの血脈』翻訳プロジェクトのクラウドファンディングです。超低空飛行が長く続く中、皆さんとの一体感で最後に勝ち取った目標達成、本当にうれしく、ホっとした瞬間でした。実は、このクラファンをふり返る一文を近日発売の『マンガ論争#30』に書かせていただきました。クラファンの全体的な流れをふり返りつつ、ボクがチラッとSNSで言及した『バーバレラ』に関して少し踏み込んで話をしています。ホントに自由に書かせてもらうことができまして、6ページ分たっぷりクラファンについて語らせていただいております。貴重な機会をいただきました編集長の永山さんにはあらためて感謝です。

本誌『マンガ論争#30』は、12月30日、コミケット会場の東4入口から入って左折してすぐの壁際特設スペースで入手できますので、本年『ボルジアの血脈』クラウドファンディングの締めくくりに、皆様に読んでいただけるとうれしいです。

(左)『マンガ論争#30』表紙、(中)映画版で主演したジェーン・フォンダのスチールを使用した『バーバレラ』68年版の表紙、(右)『バーバレラ』雑誌掲載のオリジナル版「第2話」最初のページ(『V—マガジン』1962 年夏号)

 

さて次に、ボクが関わっている、昨年からフランスで刊行されている月刊バンドデシネ誌『Charlotte』ですが、今年もこちらでいくつかフランスで知られていないマンガ家さんの作品を紹介できました。特に先月11月に白山宣之先生の『陽子のいる風景』が出せたことは大きな喜びでした。この短編は小津映画のように日常を丁寧に描いた知る人ぞ知る傑作です。こんなふうに来年も引き続き、フランスの読者に名作マンガを紹介していこうと思っています。

この『陽子のいる風景』は『地上の記憶』白山宣之(2013年、双葉社)に入っています。この単行本は2012年に早逝した白山さんの遺稿集で、安部慎一、泉晴紀、大友克洋、さべあのま、鈴木翁二、高寺彰彦、高野文子、谷弘兒、谷口ジロー、平田弘史、ほんまりう、山本おさむがメッセージやイラストを寄せていて、カバーデザインは大友克洋という豪華な布陣。白山さんの作品がどれほど大切に受け取められていたのか、これだけでもわかります。気になる方は、ぜひご一読を!いや、せめて検索を!!


 

最後は、米澤嘉博記念図書館で現在も開催中の「坂口尚と一休展」の開催です。作画が注目されがちな坂口尚ですが、今回は作品のメッセージに注目して『あかんべェ 一休』と「禅」を大きく取り上げました。原画に加えて、一休寺所蔵の一休の肖像を描いた掛け軸、坂口直筆の創作ノート、坂口生前のインタビュー映像など貴重な展示が見られます。ボクとしては、これをテコに海外でもこうした展示会を開催して、さらに坂口尚作品やその他多くの知られざる名作マンガを海外に紹介していきたいと思っています。今回はその第一弾かつパイロット版と位置付けます。

また個人的には、インタビューでたびたび坂口尚に言及してくださっている浦沢直樹先生を本展示会の講演会にお呼びできたことが大きな成果でした。浦沢先生の言葉を通じて坂口尚とその作品は現在もまだ生きているんだと実感できました。「坂口尚と一休展」は来年2026年2月8日(日)まで開催されます。まだご覧になられていない方は何かの機会にぜひお立ち寄りくださいませ。

 

さてさて『ボルジアの血脈』の制作進行ですが、来年1月末までに下訳を作成する予定です。そのあと2月から「限定副読本」の製作に入ります。こちら「副読本」の準備でボク自身、さらにあれやこれやと作品の理解を深めつつ、これと並行してデザイナーさんが組んだページ上でキャラやシーンにあった翻訳をさらに磨き上げていく……、こういった流れで予定しております。

このような丁寧な製作プロセスを許してくれることはとても珍しく、サウザンブックスさんのクオリティーへのこだわり、作品への愛情には、頭が下がる思いです。ボクもサウザンさんや編集主幹の原さんに負けないよう、納得のいくまで翻訳に専念しようと今からワクワクしています。

 

今年一年、本当にありがとうございました。また来年、「活動報告」でお会いしましょう!

皆さま、良いお年を!

 

発起人 鈴木賢三

 


 

ただいまクラウドファンディング中のプロジェクトはこちら。あの名作『ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち』の後日譚、1996年発行未翻訳作品『ウォーターシップ・ダウンのものがたり』翻訳出版プロジェクト!

 

 

2025/12/25 14:21