image

鬼才ホドロフスキーと神絵師ミロ・マナラ
名作バンド・デシネ『ボルジアの血脈』を
翻訳出版したい!

ミロ・マナラの大ファン!明治大学の藤本由香里先生が応援メッセージを寄せてくださいました!

皆さん、こんにちは。『ボルジアの血脈』のクラウドファンディング発起人の鈴木賢三です。

クラファンにご支援していただきました皆さん、本当にありがとうございます!また、日々の情報拡散にご協力いただいている皆さん、いつもありがとうございます!

 

しかし、クラウドファンディングは、早くも残り11日となってしまいました。

現在、支援者数305人、達成率44%です。

正直、焦っています。焦らない方がどうかしています。


そんな不甲斐ない発起人を見るに見かねて、少女マンガ研究、ジェンダー論研究で高名な明治大学の藤本由香里先生が、熱い応援メッセージを寄せてくださいました。
藤本先生は、ミロ・マナラの大ファンで、ボクとしては今の状況を何と申し開きしていいやらまったく心苦しいのですが、そんな中、心強い援軍として満を持しての登場です。

 


 

ミロ・マナラの作品がクラウドファンディングで日本語に翻訳出版されると聞いて嬉しい! マナラは、海外の作家の中でも、私の一押しの作家の一人だからだ。

いつ、初めてマナラの作品に出合ったのかは覚えていないが、ミロ・マナラがわたしにとって特別な作家になった瞬間は覚えている。

2012年に、イタリアはルッカで開かれるフェスティバル「ルッカ コミックス&ゲームス」に参加した時だ。世界中のさまざまなコミックフェスティバルに参加してきた私だが、ルッカのフェスティバルほど楽しいフェスティバルはない、と今でも感じている。そしてこの時、ルッカでは、ミロ・マナラが「ショーケース」というイベントに出演し、実際に絵を描きながら質問を受ける予定だったのだ!

ところが突然、ミロ・マナラの出演はキャンセルになってしまった。がっかりした私たちは、傍に立って同じく失望した顔をしている、まだ十代の男の子にインタビューを試みた。彼は父親の影響でミロ・マナラのファンになり、今日も何時間も電車を乗り継いで、本にサインをもらうためにやってきたという。彼が持っているその本は、たしかミロ・マナラ全集の1巻目で、映画作家フェリーニとのコラボレーションで作られた作品が載っている貴重なもの。モノクロで、私が知っているマナラ作品とタッチが違い、「え、なにこれ! 欲しい!」となったのだが、このあとに行ったルッカ・マンガミュージアムにその全集がずらりと並んでいたのだ! しかも、割引で買える! ほくほくしてその本を抱いて帰った私にとって、ミロ・マナラはそれまで以上に大事な作家になった。そして、昔、誰の作品とも知らないのに絵が無性に気に入ってフランスで買った『Le Parfum de l’Invisible(見えない香り)』がミロ・マナラの作品であることをのちに気づいて嬉しい気持ちになるのだ(表紙に「MANARA」って大書してあるのにね)。

マナラの作品の魅力は、なんといっても、のびやかな女性の肢体だと思う。すでに邦訳されている『ガリバリアーナ』にしても、ヌード満載でエロチックなシーンもあるのに、教室で回しても、学生の感想がほんとうに好意的だ。

そのマナラが、ホドロフスキーと組んで書いた『ボルジアの血脈』が今回、クラウドファンディングにかかっている。ホドロフスキーは、教皇を何人も輩出したボルジア家を、「歴史上初のマフィアの一族」と呼ぶ。そのすさまじい権力欲、滾る欲望、残虐とエロティシズム(チェーザレ・ボルジアの妹で、美貌と奔放さで名高いルクレツィアを見よ!)。そのすべてが、今回はフラスコ画を意識したミロ・マナラの「直接彩色」によって描かれる。それを惣領冬実『チェーザレ 破壊の創造者』と読み比べたい欲望も湧き上がる。

ミロ・マナラの力量を遺憾なく発揮したこの作品が日本語で読めるかどうかは、ひとえにあなたの支援にかかっている。

 

藤本由香里

明治大学国際日本学部教授。2007年まで筑摩書房で編集者として働くかたわら、コミック・セクシュアリティなどを中心に評論活動を行う。新聞や雑誌に連載コラムを持つほか、手塚治虫文化賞・講談社漫画賞などの選考委員を歴任。2008年より明治大学へ。少女マンガの専門家だが、最近ではとくに、マンガの国際比較や海外市場調査などを行っている。少女マンガ論の古典とされる「私の居場所はどこにあるの?」(朝日文庫)など著書多数。

 


 

藤本先生のマナラ愛にあふれるこの文章を心に重く受け止め、最後の最後まであきらめず必死に頑張ってまいります。

皆さんには引き続きのご支援・ご協力のほど、どうかよろしくお願いします!
諦めません!

 

2025/10/16 13:19