ニコ生チャンネルでもう10年以上、独特の観点から映画やマンガ、アニメなどサブカルチャーを解説し続けている孤高の老舗動画配信者、Dr.マクガイヤーさんが『ボルジアの血脈』クラウドファンディングへ応援メッセージを送ってくださいました!
マクガイヤーさんは2時間近くにわたるホドロフスキーの解説動画を2015年に公開されていて、なかなか旧作映画が見れない状況にあるホドロフスキー作品にあって、発起人の鈴木はコトあるごとに見返して、大いに助けられました。
前日は本プロジェクトの告知を動画内でさせていただき(下記リンク参照)、今回のご縁でDr.マクガイヤーさんにはさらにお力をお借りしています。
ディープなサブカル批評家、とりわけホドロフスキーに造詣の深いDr.マクガイヤーさんの『ボルジアの血脈』評をご覧ください!
アレハンドロ・ホドロフスキーは『エル・トポ』や『ホーリー・マウンテン』等のカルト映画を監督した映画監督として有名です。ただ、後にドキュメンタリー映画にもなった『デューン』映画化中止の後、バンド・デシネ原作者としても活動することになりました。
ホドロフスキー版『デューン』のアイデアを転用したとみられる『アンカル』、そのスピンオフである『メタバロンの一族』や『テクノプリースト』、『エル・トポ』と似た世界での冒険譚である『フアン・ソロ』、メビウスの作画を存分に活かした『猫の目』や『天使の爪』……と多岐に渡るのですが、幾つかの共通点があります。
セックスと暴力、エロとグロが見せ場として用意されていること、
神秘主義と表裏一体の宗教や文明についての批評的視点があること、
そして、血族や一族についての物語であること……等々です。
今回クラウドファンディングが開催される『ボルジアの血脈』も、例外ではありません。歴史に名高いボルジア家の権力闘争――セックスと暴力が、ミロ・マナラの美麗な画で描かれます。教皇を二人も輩出し、当時の西欧階級社会の頂点といっていいボルジア家のあれやこれやが描かれ、そこには南米出身であるホドロフスキーの西欧社会に対する批評的視点があります。これらは、ボルジア家がこれまで様々な映画やドラマ、漫画や文学で扱われてきた理由でもあります。
そして本作はタイトル通りボルジア家という一族の話です。
数世代にわたる一族の話だった『デューン』や『メタバロンの一族』、長い血統の末端にあたる父と子、あるいは母と子の話だった『エル・トポ』や『サンタ・サングレ/聖なる血』を例に挙げるまでもなく、ホドロフスキーは一族の話に取りつかれています。自伝であったはずの『リアリティのダンス』でさえ、映画化すると寓話のような父と母と息子の話になるのです。しかも父ハイメを演じるのは実子ブロンティス・ホドロフスキーです。このブロンティスの娘アルマ・ホドロフスキーも女優になり、『アデル、ブルーは熱い色』にて中止となった『DUNE』のプロデューサーミシェル・セドゥの姪孫レア・セドゥと共演するに至っては、「一族」の物語を感じてしまいます。
チリで亡命ユダヤ系ウクライナ人の息子として生まれ、父と決別してシュルレアリストとしてパリへ渡り、放浪生活の後に結婚と離婚を繰り返しながら自分の家族――あるいは自分の「一族」――を持ったホドロフスキーにとって、一族や血族が大きな意味を持つことは想像に難くありません。また、スペインのバレンシアを発祥の地としつつ、イタリアで繁栄したボルジア家の物語に惹かれるのも理解できます。
是非ともクラウドファンディングに参加して、ホドロフスキーがボルジア家の血とゲロと精液にまみれた物語をどう語るか、確認しようではありませんか。
Dr.マクガイヤー
1975生。Youtubeやニコ生で映画や漫画の解説動画を配信している動画配信者。
Youtube:https://www.youtube.com/@macgyer_ch
ニコ生:https://ch.nicovideo.jp/macgyer
過去にはホドロフスキー解説動画も配信。
https://www.nicovideo.jp/watch/so25444957
実は発起人の鈴木賢三は「Dr.マクガイヤーCH」に出演して告知をさせていただきました!
出演回はコチラ:
本クラウドファンディングは、9月24日現在で、支援者222人、達成率30%です。
ご支援くださった皆さま、情報の拡散にご協力くださった皆さま、本当にありがとうございます。
特にXでいつも反応をくださる皆さま、本当にありがとうございます。
とても励みになります。
しかし、日程的には折り返し点をとうに過ぎ、残す日程はあと33日です。
クラファン成立に向けて、ここ数週間が多くの人に本作『ボルジアの血脈』の良さを知ってもらう最後のチャンスです!
スパートをかけるべく、いくつかイベントを準備していますが、まずはこの金曜日にオンラインイベント第2弾「作戦会議」があります!
【オンラインイベント「作戦会議」9月26日(金)20時~】
「ホドロフスキー」好きなら、「チェーザレ」好きなら、「西洋史マンガ」好きなら、具体的に、どんなマンガや小説、映画、ドラマなどを実際に読んだり視聴したりしているのか、どんなコンテンツ作品が好きなのか?こんなテーマで、皆さんの実体験や見聞に基づき、ざっくばらんに楽しくワイワイ、意見を出し合う、そんな会をイメージしています。
また、翻訳先出しを読んでいただいた皆さんにはご感想をいただくとともに、このキャラはあの声優さんの声で脳内再生されました!といった密やかな楽しみも、みんなで話せればいいな、と思っています。
もちろん、特に事前に何か考えておいていただくようなことではなく、当日その場で思いついたことをお話ししていただく感じですし、もちろんちょっと覗きになんていう感じでもOK。多くの方の参加をお待ちしています。
アレハンドロ・ホドロフスキー作、ミロ・マナラ画『ボルジアの血脈』翻訳出版プロジェクト作戦会議
日時:9月26日(金)20時~21時30分
会場:Zoom
参加:無料
※途中参加・途中退出OK、顔出しはしてもしなくても結構です
以下の登録フォームからメールアドレスと名前(ニックネームやハンドルネームも可)をご登録ください。追ってZoomのURLをお送りします。
参加登録フォーム
https://forms.gle/eDEbxtvJ7J8mAKge7
※正しく登録されると、メールアドレス宛にメッセージが届きます。
※当日急に別の予定が入ってしまった場合、特にキャンセルのご連絡いただく必要はありません。
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これ以外に10月7日(火)20時より、オンラインで「海外マンガ勉強会#17」と10月9日(木)の夜にリアルのイベント「世界のマンガについてゆるーく考える会#24」が開催されそれぞれ鈴木が参加する予定です。こちらはまた追ってこのサイトでご案内いたしますが、Xではすでに一部告知をしております。ぜひぜひ、お楽しみに!