世の好事家(ディレッタント)のひよっ子たちを「暗く悪しく美しいカルチャー」へとナビゲートする異色のYoutuber、好事家ジェネさんから『ボルジアの血脈』のクラウドファンディングへの応援メッセージをいただきました。
ジェネさんは、その独特の審美眼とテアートルの華麗なコメディエンヌのような語り口で、若者から多くの支持を集めています。今後注目の若手パフォーマーであり、評論系エンターテイメントのジャンルにありそうでなかった耽美やゴシックといった新たな切り口でチャレンジする新進気鋭のインフルエンサーです。
独特の世界観を持つ彼女の目に『ボルジアの血脈』はどう映っているのか?さっそく、ジェネさんの口上に耳を傾けてみましょう!
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「ボルジア家」って、聞いたことありますか?
レオナルド・ダ・ヴィンチやミケランジェロが活躍していた、ルネサンス運動真っ盛りの15〜16世紀のイタリア。そのかたわらで、教皇にまで上りつめながら、裏切りに暗殺、近親婚の噂まで飛び交った悪名高い一族がいました。それこそ、歴史上もっともスキャンダラスな家系と語り継がれる「ボルジア家」です。
そのボルジア家の権力と欲望にまみれた物語を、かのホドロフスキーとミロ・マナラがタッグを組み2004~2010年にかけて漫画にしたそうなんですが……それがついに邦訳されるかもしれないというんですから大事件です。
何てこった、日本の闇のルネサンスは間近かもしれません!
やはりまず目を引くのは、本作の原作がアレハンドロ・ホドロフスキーということ。
『エル・トポ』『ホーリーマウンテン』といったカルト映画の監督としてお馴染みですが、彼はまた漫画原作者という顔も持っています。一番有名な作品は、メビウスが絵を手掛けた『アンカル』なんじゃないでしょうか。映画の前線は勿論、ホドロフスキーはヨーロッパの漫画文化を牽引してきた巨匠でもあるんですよね。
そんな彼が本作にも携わっているというんですから、それはもう一筋縄ではいかない悪魔的な内容に違いないんです。
さらに絵を手掛けたのが、エロティックな絵で著名なミロ・マナラ。
彼の肉感的な作画は、日本の「漫画」のデフォルメされた作画に親しんでいる方からすると、ちょっとアクが強いかもしれませんね。
でもさっきから「漫画」と書き連ねてしまっていますが、実は本作は正確には「漫画」ではなく「バンドデシネ」だ、ということもここで強調しておきたいと思います。
ざっくり言えば、「バンドデシネ」とは「フランス語圏の漫画」です。でも日本の「漫画」がアメリカの「コミック」とは異なるように、ヨーロッパの「バンドデシネ」も、「漫画」や「コミック」とはまた違ったオリジナルの歴史や表現を持っています。
コマ割りで進行するのは同じですが────日本の「漫画」がモノクロ主流で、ストーリー展開を重視、スピーディーに雑誌連載された後に単行本になるのに対し、「バンドデシネ」は絵の芸術性が重視され、作家はじっくり時間をかけて本作りに取り組みます。当然、ページはフルカラー、冊子もA4以上のハードカバーで、まるで画集のように美しい装丁が施されています。
以上を踏まえた時、ミロ・マナラの写実的な絵柄は、「ボルジア家」の退廃をグロテスクに際立たせるのみならず、「漫画」とはまったく別の芸術として輝いている、ということがお分かりいただけるのではないでしょうか。
そしてさらには、今回のプロジェクトがただ「海外の漫画を邦訳する」だけではない、「バンドデシネ」という未だ日本で知名度の低い美しい新芸術を輸入する意欲的な取り組みであることも、同時に感じていただけるのではないかと思います。
教皇にまで上りつめたロドリーゴ・ボルジア、暴君チェーザレ、妖婦ルクレツィア────。
彼らの欲望と策略が渦巻く背徳の歴史絵巻が日本語で読めるなら、そんなに愉快なことはありません。
頽廃こそ美の、陰謀こそ芸術の揺りかごです。
綺麗事で塗り固められた退屈な日常に今こそ必要なのは、この華麗なる紙面からほとばしる、ボルジアの邪悪な血に違いありません。
好事家(こうずか)YouTuber。
頽廃的でありながら魅力的、背徳的ながら面白い「暗く悪しく美しい」カルチャーを、美術史や社会史の視点から読み解き紹介している。
YouTubeやSNSでの映像発信を中心に、商業誌やブログ執筆、イベントやトークショーへの登壇など、異色の文化ナビゲーターとして幅広く活躍。
既成の価値観に収まらない独自の審美眼と、諧謔心に溢れた軽妙な語りは高く評価されており、その世界観に共鳴する異端の趣味人たちの支持を集め一大コミュニティを築いている。
Youtube:youtube.com/channel/UC8vjquSKS0L_NueVA3I9rbA
X:https://x.com/DilettanteGenet
Instagram:instagram.com/dilettantegenet
Blog「ケードルセー41番地」:dilettantegenet.hatenablog.com
とても興味深いテーマを扱っていらっしゃいますので、ぜひ一度ジェネさんのチャンネルものぞいてみてください!どうか、よろしくお願いします!(鈴木賢三)
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こんにちは。発起人の鈴木賢三です。
本日9月17日、支援者200人超え、達成率29%です。
折り返し点はとうに過ぎ、クラウドファンディングの日程も残りあと40日となりました。
ご支援くださった皆さま、情報の拡散にご協力くださった皆さま、本当にありがとうございます。
Xでボクとコミュニケーションを取っていただいた皆さまも、本当にありがとうございます。孤独な戦いではないとホッとした気持ちになれます。
クラファン成立に向けて今ここが本当に踏ん張り時だと、日々あの手この手を考えています。スパートをかけるべく今のところ決定しているイベントが3つあります。詳しくは追って告知をいたします!乞うご期待です!
さて、すでにご案内しているイベント「作戦会議」が、今週9月26日(金)夜に開催されます!
でも「作戦会議」って言うけど、具体的にいったい何をするの?と言われそうですね(笑)こんな会を考えています。「ホドロフスキー」好きなら、「チェーザレ」好きなら、「西洋史マンガ」好きなら、具体的に、どんなマンガや小説、映画、ドラマなどを実際に読んだり視聴したりしているのか、どんなコンテンツ作品が好きなのか?こんな話題を皆さんの実体験や見聞に基づき、ざっくばらんに楽しくワイワイおしゃべりをするというような感じです。もちろん、特に事前に何か考えておいていただくようなことではなく、当日その場で思いついたことをお話ししていただく感じですし、もちろんちょっと覗きになんていう感じでもOK。ぜひぜひ、お気軽にご参加ください。
多くの方の参加をお待ちしています。
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アレハンドロ・ホドロフスキー作、ミロ・マナラ画『ボルジアの血脈』翻訳出版プロジェクト作戦会議
日時:9月26日(金)20時~21時30分
会場:Zoom
参加:無料
※途中参加・途中退出OK、顔出しはしてもしなくても結構です
以下の登録フォームからメールアドレスと名前(ニックネームやハンドルネームも可)をご登録ください。追ってZoomのURLをお送りします。
参加登録フォーム
https://forms.gle/eDEbxtvJ7J8mAKge7
※正しく登録されると、メールアドレス宛にメッセージが届きます。
※当日急に別の予定が入ってしまった場合、特にキャンセルのご連絡いただく必要はありません。
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