皆さま、こんにちは! 発起人のアトリエ・ヤマグチです。7月3日に『影の縫製機』新装復刊プロジェクトがスタートし1週間ほどがたちました。これまでに50名以上の方々からご支援いただきましたこと、心から感謝申し上げます。
応援のコメントはすべて読ませていただいております。復刊することへの意義を感じていただいているコメントも多く、より一層、プロジェクト実現への想いを強くしているところです。
私たちがエンデの作品を未来につなぎたいと思うきっかけのひとつとなった、エンデのエピソードをご紹介します。
1956年の夏、エンデ、27歳のことです。仕事でイタリアのシチリア島、パレルモを訪れたエンデは、「カンタストーリエ」という語り部と出会いました。「カンタストーリエ」は道端などで集まった聴衆に向け、古くから語り継がれる物語を語る「物語の語り部」です。エンデは「カンタストーリエ」が聴衆に語る姿を見て、その語りを聴き、こう悟ります。
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それで、わたしは心に決めたのです。これからは、後にメルヒェンの語部が、かれらなりに修飾し、はてしなく、数えきれない続編をなして、語り続けられるような物語を書くのだと。
(『ものがたりの余白 エンデが最後に話したこと』(岩波現代文庫)ミヒャエル・エンデ 著/田村都志夫 聞き手・編訳/岩波書店/2009年発行/p.173)
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人々に語り継がれる物語を書くことを心に決めたエンデの想いは日本にも届き『モモ』や『はてしない物語』などの邦訳作品が多くの読者に愛されています。しかし、品切れや絶版になり新刊の入手が難しい邦訳作品が多いのも現状です。
『影の縫製機』は詩集ですので、エンデがパレルモで想った「語り続けられるような物語」とは表現形式が異なりますが、エンデの文芸創作のはじまりが詩であったことも鑑みると、エンデの作品にとって詩も重要な表現形式です。
エンデの作品で詩集は少なく、とても貴重な『影の縫製機』が現在絶版であることは、エンデの「語り続けられるような物語」の一部が途絶えてしまったかのように感じています。本プロジェクトで新装復刊し、新刊を再流通させ、未来の読者へつないでいきたいです。
■ご協力いただきたいことがあります。
私たちだけでは情報発信に限りがありますので、本プロジェクトのことを広めていただけると嬉しいです。
エンデやシュレーダーが好きな方からあまり知らない方まで、多くの方々に『影の縫製機』のことを知っていただきたいです。
SNSでのシェアやお知り合いへのご共有など、ご協力いただけますととても嬉しく、プロジェクトの力になります。よろしくお願いいたします。
『影の縫製機』新装復刊へ向けて、何卒お力添えいただけますと幸いです。
atelier yamaguchi(アトリエ・ヤマグチ)山口吉郎・山口桂子
X(旧twitter):@yamaguchike_at
スタートから1週間、10%達成です。これから3ヶ月間、一緒にクラファンを盛り上げていただけると幸いです。どうぞよろしくお願いいたします!