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スペイン発、戦慄のサイコスリラーコミック
『ガウディの幽霊』を翻訳出版したい!

スペイン語翻訳者の宇野和美さんから応援メッセージが届きました!

スペイン語書籍の日本語訳を多く手がけ、パウ・エストラダ『ガウディさんとドラゴンの街』(教育評論社)というガウディを描いた絵本の翻訳もある宇野和美さんが、『ガウディの幽霊』翻訳出版プロジェクトに応援メッセージを寄せてくれました。
 


ガウディのオーラを伝えるコミックの翻訳出版を応援します!
 
世界各国のコミックの翻訳出版をめざすサウザンコミック。スペイン語圏はまだかな、まだかなと思っていたのですが、このたびとうとうスペインのコミックのプロジェクトが始動したとのこと、しかも、テーマはガウディ!
 
以前、大阪の書肆喫茶moriに誘っていただき、zoomでスペインのコミックの話をしたことがありますが、スペインのコミックはここ20年ほどとても勢いがあります。2000年くらいまでは、大人でコミックやマンガを読むというと幼稚な人間と思われるふしがありましたが、最近はコミックの地位が向上して、書店での売り場面積が広がってきています。それに伴って、幅広いテーマの作品も生まれています。
 


翻訳が待たれるスペインコミック
 
今回のクラウドファンディングが始まった『ガウディの幽霊』は、ガウディのアートとミステリーが交錯する壮大な作品。バルセロナのガウディのさまざまな建築物で、つぎつぎとショッキングな殺人がつぎつぎと起こります。テンポのよいストーリーとリアルな絵にひきこまれ、ぎょっとさせられながらもラストまで一気に読まずにいられませんでした。
 
特に私が楽しんだのは、外見の写真だけではわからないガウディの建物の数々の内部の描かれ方の見事さです。ガウディの設計したサグラダ・ファミリアやグエル公園やカサ・バッリョやカサ・ミラは、事前予約が必要でいつでも混み合っている観光スポットですが、どれも中に入ると、外から見ただけではわからない「場」の雰囲気に満たされます。外見の奇抜さからは想像もつかないような、そこにずっといたくなるような心地よさ。グエル公園も歩いていると、場のエネルギーに満たされるような気がする場所です。
 
『ガウディの幽霊』では、そんなガウディ建築が凄惨な殺人現場となるのですが、ガウディの作品がはなつオーラも伝えるような、緻密で印象的な絵を堪能することができます。かなり強烈なので、スプラッターが苦手な人は要注意ですけど。
 
サウザンブックス社のクラウドファンディングでは、わたしも以前『くろはおうさま』の翻訳を担当させていただき、刊行後、大きな反響に驚いたものでした。
 
パコ・ロカの『皺』『家』(どちらも小学館集英社プロダクション刊)の後につづく作品がまだまだ数少ないスペイン語圏発のコミック。
 
みなさまのご協力で、この『ガウディの幽霊』が日本で読めることを心から願っています。
 
ご協力をどうぞよろしくお願いいたします。

スペイン語翻訳者 宇野和美

宇野和美(うのかずみ)
スペイン語翻訳者。サウザンブックス社でクラウドファンディングしたメキシコの絵本『くろはおうさま』の翻訳者。スペイン語圏の新しい声を伝える文学や子どもの本の翻訳に積極的にとりくんでいる。訳書に『赤い魚の夫婦』(現代書館)、『ハリケーンの季節』(早川書房)、『吹きさらう風』(松籟社)、『この銃弾を忘れない』(徳間書店)、『ワニのクロコ』(BL出版)、『しずかなおきゃくさま』(光村教育図書)、『ガウディさんとドラゴンの街』(教育評論社)など。

宇野さんが運営するスペイン語の子どもの本専門ネット書店ミランフ洋書店:https://miranfu.base.shop/

X:https://x.com/miranfu

Instagram:https://www.instagram.com/kazumiranfu/

 


宇野さんが翻訳されたパウ・エストラダ『ガウディさんとドラゴンの街』(教育評論社、2023年)

 

2025/03/18 09:55