サウザンコミックス第9弾『男の皮』プロジェクトで発起人を務めた書肆喫茶moriの店主・森﨑さんが『ガウディの幽霊』プロジェクトに応援メッセージを寄せてくれました! 『男の皮』は現在日本語版を鋭意制作中ですが、『ガウディの幽霊』プロジェクトもぜひ成立させ、日本語版を実現したいと思います!
大阪・谷町六丁目で海外マンガ専門のブックカフェをしている書肆喫茶moriの店主です。
スペイン語翻訳者の宇野和美さんにスペインのマンガについてお聞きするYouTubeライブを配信したことがありました。そのときにスペインのマンガを紹介したり翻訳したりする人がなかなかいないよね、という話になりました。
【YoutubeLive】海外マンガ紹介#70「スペイン語翻訳者 宇野和美さんに聞くスペイン語圏マンガの世界」
スペインのマンガはパコ・ロカをはじめ何冊かの邦訳があります。
外務省が主催する日本国際漫画賞でもスペインの作品は頻繁に登場します。
スペイン出身のマンガ家には『ブラックサッド』のフアンホ・ガルニドや『最高の夏休み』のジョルディ・ラフェーブル、『ホークアイ』のデイヴィッド・アジャなどバンド・デシネやアメリカンコミックスの世界で活躍し、日本で人気の作家もたくさんいます。
私が以前、共同編集者として刊行した海外マンガ情報誌『漫海』第3号では高岡周哉さんが「70~80年代のスパニッシュコミックガールたち」という寄稿をしてくださり、少女マンガ家プリタ・カンポスを紹介してくださいました。なおプリタ・カンポスは70年代に刊行されたイギリスの少女マンガ誌『Princess Tina』の看板作家でした。このマンガ誌はイギリスでは間もなく廃刊されてしまうのですが、オランダで独自の進化を遂げて現在まで続いているという話をサウザンコミックス第8弾のクラファン中に発起人をされた川野夏実さんにお聞きしたときはとても驚いたものです。
スペインのマンガ
ちょっと話がずれました。
私が知る範囲のスペインのマンガやマンガ家についてつらつらと書き連ねてみましたが、いずれにせよスペインのマンガはまだまだ紹介が進んでいません。
そんななか『ガウディの幽霊』の発起人マリアさんが手をあげてくれたことはとても楽しみでなりません。
そして現在クラファン中の『ガウディの幽霊』。
タイトルのとおり、スペインを、いえ世界を代表する建築家であるガウディの建築物が物語の舞台だというのです。
私はマンガも大好きですが、まったくの素人目線ながら建築物も大好きなのです。なかでもガウディは双曲放物線という合理的かつ美しいアーチを採り入れ建築と自然とを融和させようとした建築家でもあります。そのことを知ってから、世界遺産にも登録されたガウディの建築物は死ぬまでに観に行きたいものリストの一番に燦然と輝いています。
今回サウザンブックスさんから『ガウディの幽霊』の原書をお借りしました。
ぱらぱらと拝見したところ、まず各章ごとに登場するガウディの建築物が記載されていて、グエル公園、カサ・ミラ、サグラダファミリアといったお馴染みの名前が並んでいます。そして色鮮やかで美しい建築物とともに、真っ赤な鮮血がページを彩ります……そうです、この作品は猟奇殺人事件を描いたサイコスリラーなのです。明るい太陽のイメージがあるガウディの建築物になにやら禍々しささえ漂います。
これはとても読みたい。そして舞台になっているガウディの建築物の聖地巡礼ツアーを敢行したい。
クラファンが無事に成立することを心から祈っています。
書肆喫茶mori店内で『ガウディの幽霊』原書をご覧いただけます
2025年3月25日(火)夜開催の「邦訳海外マンガの作り方#4」に出演します
2024年9月から12月にかけて実施したサウザンコミックス第9弾『男の皮』翻訳出版プロジェクトのお話などをさせていただく予定です。オンラインでの開催ですので、ぜひご参加ください。
https://note.com/thousandscomics/n/nc490df0258a5
森﨑雅世(もりさきまさよ)
2019年に海外マンガ専門ブックカフェ「書肆喫茶mori」オープン。海外マンガの面白さを日本で広めるべく、SNS、ブログ記事、情報誌、YouTubeなどで情報発信しています。バンド・デシネ翻訳者でサウザンコミックス編集主幹の原正人さんとポッドキャスト「海外マンガの本棚 」「海外マンガRADIO」のパーソナリティを務めています。
・書肆喫茶moriホームページ:https://bookcafe-mori.shopinfo.jp/
・X(旧Twitter):@shoshikissamori
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