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スペイン発、戦慄のサイコスリラーコミック
『ガウディの幽霊』を翻訳出版したい!

もっとスペインのコミックを!

皆さん、こんにちは! サウザンコミックス編集主幹の原正人です。

1月21日(火)から始まったエル・トーレス作、ヘスス・アロンソ・イグレシアス画『ガウディの幽霊』翻訳出版クラウドファンディングですが、早いものでクラファン期間の半分が終わりました。クラファンの終了日は4月21日(月)です。

ご支援くださった皆さん、ありがとうございます! 現時点で151人の方にご支援いただき、達成率は25%目前、目標金額の約4分の1まで来ることができました。海外マンガの紹介者として第一歩を踏み出したばかりのマリアさんを信頼してご支援くださった皆さんには感謝の言葉しかありません。このプロジェクトを実現するために、母語ではない日本語で頑張って発信を続けているマリアさんをぜひ見守っていただければと思いますし、僕も最後まで全力でサポートしたいと思います。

明日3月7日(金)の夜には、発起人のマリアさんを囲んで、オンライン作戦会議を開催します。『ガウディの幽霊』という作品をもっと知りたいという方や、マリアさんを応援してくださるという方は、ぜひご参加いただければと思います。

 

 

『ガウディの幽霊』翻訳出版プロジェクト作戦会議

・日時:3月7日(金)20時~21時30分

・会場:Zoom

・参加:無料

 ※途中参加・途中退出OK、顔出しはしてもしなくても結構です

以下の登録フォームからメールアドレスと名前(ニックネームやハンドルネームも可)をご登録ください。追ってZoomのURLをお送りします。

・参加登録フォーム

https://forms.gle/N4xPZh47zCy8nQHw7

※正しく登録されると、メールアドレス宛にメッセージが届きます。

※当日急に別の予定が入ってしまった場合、特にキャンセルのご連絡いただく必要はありません。

 

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さて、スペインのコミックというと、パコ・ロカの作品(『皺』、『家』)が日本の海外マンガファンの間でも有名ですが、実は日本語に翻訳されているスペイン・コミックはそれほど多くはありません。パコ・ロカ作品以外で僕が知っているものと言えば、ノエル・ラング作、ロドリゴ・ガルシア絵『ダウンタウン』(轟志津香訳、サンマーク出版、2013年)、エル・トーレス作、ガブリエル・エルナンデス画『自殺の森』(轟志津香訳、河出書房新社、214年)、フェルミン・ムグルサ、アルカイツ・カノ、ドクトル・アルデルテ『BLACK IS BELTZA ブラック・イズ・ベルツァ』(吉田浩美訳、ロケットミュージック、2015年)ぐらいのものです。

スペインのコミック市場はとても大きいというわけではなく、優れた作家は海外で仕事をしがちという事情もあるようです。事実、フランス語圏のマンガ“バンド・デシネ”を代表する作品のひとつと言っても過言ではない『ブラックサッド』シリーズは、フアン・ディアス・カナレスとフアンホ・ガルニドというスペイン人コンビによるものですし、北米のスーパーヒーローコミックスでも、カルロス・パチェコ(『JLA/JSA:欲望と希望の狂宴』)やダヴィド・アジャ(『ホークアイ:マイライフ・アズ・ア・ウェポン』)を始めとするスペイン人作家が活躍し、さらには、フアン・アルバラン(『マタギガンナー』)のように日本で人気を博している作家も、ケン・ニイムラ(『I Kill Giants』、『ヘンシン』)やケニー・ルイス(『テーレマコス』、『チーム・フェニックス』)など、国境をまたいで作品を発表してる作家もいます。そういったスペイン国外で活躍してる作家たちの作品は、ちょこちょこ日本語で読むこともできます。

じゃあ、スペインで作られたコミックには優れた作品が少ないのかというと、そんなことはまったくありません。日本に入ってきていないだけで、国際的な評価の高い作品はたくさんあります。僕らがそれを知らないだけなのですが、それもある意味、仕方ないのかもしれません。そもそもスペインのコミックのことが日本ではほとんど知られていないのです。

世界のマンガを翻訳出版するサウザンコミックスの編集主幹として、僕はいつかスペインのコミックも翻訳出版できたらと思っていたわけですが(ちなみにスペインだけでなく、イタリア、ドイツ、さらには東欧、北欧、アジア、アフリカ、南米の作品も翻訳出版したいと思っています)、そこに現れてくれたのが、本プロジェクトの発起人で京都在住のマリアさんでした。マリアさんが日本語に翻訳したいと思っている作品はそれこそたくさんあるのですが、その中でもまずはこの作品をと強くプッシュしてくれたのが本作『ガウディの幽霊』です。

『ガウディの幽霊』は、スペインのバルセロナを舞台に、スーパーのレジ係をしているシングルマザーの中年女性が、ガウディの建造物の数々で起きる陰惨な連続殺人事件に巻き込まれるというストーリーで、サウザンコミックスのこれまでの作品にはなかった、大人向けのエンタメ作品。陽光溢れるバルセロナ×色鮮やかなガウディの建造物×ゴアな描写という組み合わせで、スペインの光と闇が堪能できる、マンガならではのケレン味に富んだ作品です。テンポもいいですし、洋画や洋ドラが好きな方や、海外マンガはちょっととっつきにくくてなあ…と思っている方にも楽しんでいただけるのではないかと思います。

 

『ガウディの幽霊』の一場面。バルセロナの陽光が降り注ぐ、ガウディが設計したグエル公園。ここもまた陰惨な殺戮劇の舞台に

 

本プロジェクトが、勇気を出してクラウドファンディングの発起人になってくれたマリアさんが、今後スペイン・コミックの翻訳者として活躍するきっかけになることを願ってやみません。

ちなみに本プロジェクトは、サウザンコミックスの記念すべき第10弾となります。これまで皆さんにご支援いただき、フランス語圏のバンド・デシネ3冊、アメリカのコミックス2冊、台湾のマンガ1冊、チェコ・コミック1冊、イスラエルのマンガ1冊、オランダのマンガ1冊がサウザンコミックスを彩っています。ぜひここにスペインのコミック『ガウディの幽霊』も加え、サウザンコミックスをさらに魅力的なものにしたいと思います。

 

サウザンコミックスのラインナップ。真ん中が『ガウディの幽霊』(英語版)。ぜひ将来、日本語版を並べたいと思います

クラファン終了まであと1カ月半。引き続きどうぞよろしくお願いします!

 

 

 

2025/03/06 15:53