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親友の死、深い傷を持つ男が出会う謎の少女
オランダを代表する女性作家が描く
コミック『ハチクマの帰還』を翻訳出版したい!

海外マンガのブックカフェ書肆喫茶moriの森﨑さんから応援メッセージが届きました!

これまでなんとか日本に送り出すことができた2冊のグラフィックノベル『ゴッホ 最後の3年』『小さなベティと飛べないハクチョウ』(ともに花伝社)を森﨑さんがお店のインスタグラムやYoutubeで紹介してくださったのを、オランダからうれしく拝見していました。

 

昨年10年ぶりに日本の地を踏んだ私は、森﨑さんに直接お礼を言いに行かねばと大阪の書肆喫茶moriを訪れることにしました。ところが土地勘のない大阪で、スマホもなく、入り組んだ路地にひっそりと佇む隠れ家的な書肆喫茶moriが見つからない!子どもはぐずるし、もう諦めて帰ってしまおうかとも思ったのですが、いやいやそんなわけにはいかないと、どうにかこうにかお店に辿り着きました。

 

その時、森﨑さんからサウザンブックスのことを聞きました。正確に言うとサウザンブックスの存在は知っていたのですが、「クラウドファンディングで翻訳出版?私とは遠い世界の話だな」と思っていました。しかし、森﨑さんのおっしゃった「これまでチャレンジした海外コミックの皆さん、全員達成してるみたいですよ」という言葉が心に残り、もしかしたら私にもできるかも…? とオランダに戻った後、サウザンブックスに企画書をお送りしたのでした。

 

あの時、書肆喫茶moriを訪れるのを諦めていたら、森﨑さんとお話ししなかったら、私がクラウドファンディングに挑戦することはなかったでしょう。森﨑さん、私の背中を押してくださって、ありがとうございました!

 


 

大阪・谷町六丁目で海外マンガ専門のブックカフェをしている書肆喫茶moriの店主です。

 

エメー・デ・ヨングの名前を初めて知ったのは、第12回日本国際漫画賞で『身体の老いとともに感情もまた老化する』が優秀賞を受賞したときでした。

 

『最高の夏休み』の邦訳もあるジドルーが原作を手掛けていることが興味を持つきっかけだったのですが、表紙にとても惹かれました。裸の高齢男女の背中。齢(よわい)を感じさせる二人の肉体の、生々しくも繊細な描写。高齢者の性愛というテーマもとても新鮮に映りました。

 

第12回日本国際漫画賞で優秀賞を受賞した『身体の老いとともに感情もまた老化する』

 

 

それから3年、エメー・デ・ヨングはまたしても日本国際漫画賞を受賞します。

 

しかも今度は最優秀賞です。

 

『砂の日々』は、1930年代、大恐慌下のアメリカ南部で断続的に発生した大砂嵐を若き写真家の視点から描いた意欲作。橙色の広漠とした表紙が印象的でした。

 

第15回日本国際漫画賞で最優秀賞を受賞した『砂の日々』

 

『砂の日々』は日本のみならず、フランスでもACBD批評グランプリ2022、フナック・フランス・アンテールBD賞2022の最終ノミネートに選ばれ、アメリカのアイズナー賞2022でもノミネートされるなど世界的に高く評価されました。

 

 

「エメー・デ・ヨングは注目すべき作家だ」という思いを強くした瞬間です。

 

 

翌年に発表されたのが『冬の60歳の春(Soixante printemps en hiver)』(Ingrid Chabbert原作)です。

 

再び高齢者をテーマにした作品ですが、60歳を迎えた女性ジョシーが家族を捨てて、自由な人生を謳歌するという物語でした。

 

この作品も表紙が印象的なのです。

 

朝焼けなのか、夕焼けなのか、桃色に染まる空を背景に、ジョシーが家を出てから仮住まいをするトレーラーハウスの屋根に仰向けに寝転んでいる。彼女の脳裏に去来するのはどういった思いなのか、作品を読み終わってから再び表紙を眺めると、なんともさまざまな思いが交錯する、とても味わい深い作品でした。

 

『冬の60歳の春』

 

 

エメー・デ・ヨングはなんとSF作品も描いています。

 

2021年に新創刊したフランスの伝説的SF誌「メタル・ユルラン」の第3号に掲載された『別世界(Ailleurs)』という短編です。何度も大洪水が起きた未来の地球で、火星に移住するための<夢の街>計画。ロボットをまず送り込み人類が居住可能な街を建設しようとするが……。効率化や合理化を優先させる社会への皮肉も感じられ、最後にはくすっと笑ってしまうようなストーリーで、小気味よい読後感でした。

 

「メタル・ユルラン」に掲載された『別世界』

 

 

(ちなみに私は海外マンガ情報誌『漫海』第3号の中で、気になる作家6人の中の一人としてエメー・デ・ヨングを紹介する記事を書いています)

 

 

来たる9月に刊行予定の最新作はウィリアム・ゴールディングの小説『蠅の王』のコミカライズです。無人島に漂着した少年たちの本性をえぐるような作品を、果たしてエメー・デ・ヨングがどのように描き出すのか、とても気になります。

 

近刊の『蠅の王』

 

 

このように幅広いジャンルで多彩な才能を発揮し、世界で評価されているエメー・デ・ヨング。

 

にもかかわらず日本語訳が刊行されないというのは、海外マンガあるあるとはいえ(こんなあるあるは早く撲滅したいのですが)もどかしい思いを抱えていました。

 

 

『ハチクマの帰還』は彼女の長編デビュー作、彼女の原点ともいえる作品です。

 

 

世界で活躍しているエメー・デ・ヨングの作品が日本語で読めるのを楽しみにしています。

 

 

そして『ハチクマの帰還』の成立を見届けた後には、私が発起人となるフランスのマンガ、ユベール&ザンジム『Peau d’Homme(男の皮)』のクラウドファンディングが始まる予定です。

 

この作品もとても評価されていて、しかも本当にむちゃくちゃ面白い。

 

現在、クラウドファンディング開始時にお知らせが届くメール登録を受け付けています。

こちらもぜひよろしくお願いいたします!

 

http://thousandsofbooks.jp/project/peau-dhomme/

 

 

森﨑雅世(もりさきまさよ)

2019年に海外マンガ専門ブックカフェ「書肆喫茶mori」オープン。海外マンガの面白さを日本で広めるべく、SNS、ブログ記事情報誌、YouTubeなどで情報発信しています。バンド・デシネ翻訳者でサウザンコミックス編集主幹の原正人さんとポッドキャスト「海外マンガの本棚」海外マンガRADIO」のパーソナリティを務めています。

 

書肆喫茶moriホームページ:https://bookcafe-mori.shopinfo.jp/

X(旧Twitter):@shoshikissamori

Instagram:@bookcafe_mori

Bluesky:@bookcafemori.bsky.social

YouTube:@bookcafe_mori

 

 

 


 

支援者数400名が見えて来ました。森﨑さん一押しの注目作家、エメー・デ・ヨングに会える!イベント付きコースおすすめです。

 

 

 

2024/08/29 12:39