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親友の死、深い傷を持つ男が出会う謎の少女
オランダを代表する女性作家が描く
コミック『ハチクマの帰還』を翻訳出版したい!

バンド・デシネ翻訳者の大西愛子さんから応援メッセージが届きました。

海外マンガについて勉強しようと思ってネットをさまよっていた時、フランス語翻訳者でいらっしゃる大西愛子さんのお名前をよくお見かけしていました。
  
ある日、偶然インスタグラムで大西さんのアカウントを発見して嬉しくなってしまい、「オランダ語のグラフィック・ノベルを翻訳しています!」と図々しくもメッセージをお送りしました。私は普段、人付き合いが不得意なのに、こういうときはなぜかグイグイいけてしまうのです。そうしたら、「第1外国語として私もオランダ語を習ってました。50年以上たってすっかり忘れてしまいましたけど」と大西さんがお返事をくださいました。
 
え、50年?そんな大先輩だとは知らず、気軽に話しかけてしまった自分が恥ずかしかったのですが、そのときのご縁もあって、今回、応援メッセージを引き受けてくださいました。
 
大西愛子さん、ありがとうございます。オランダ語圏からも日本に優れたマンガが紹介できるようがんばります。(発起人 川野夏実)
 


こんにちは
フランス語圏のマンガ、バンド・デシネの翻訳者大西愛子です。
 
サウザン・コミックスでは以前エティエンヌ・ダヴォドーの『ワイン知らず、マンガ知らず』出版の際、クラウドファンディングの発起人ではなかったのですが、翻訳を担当させていただいて大変お世話になりました。
 
バンド・デシネの翻訳を初めてそろそろ20年くらいになります。その間多くの国々のマンガと出会い、大好きな日本のマンガとはまた違う面白さに魅せられる身として、このサウザン・コミックスの試みにはエールを送り続けています。今回も迷わず支援させていただいたのですが、思わぬところでこの作品のことを聞くことになりました。
 
懇意にしているバンド・デシネ専門店のメゾン・プティ・ルナールさんにこの本のフランス語版が置いてあったのです。その時、ちょうどベルギーのバンド・デシネについていろいろ話を聞いていて、オランダ語で書かれた作品として『ハチクマの帰還』を勧められたのです。ベルギーにはフランス語圏とオランダ語圏があって、その方はこの作品をベルギーの作家さんと勘違いしてらっしゃったのです。クラファンでこの作品のことを知っていたのでオランダの作品だという話をして、このプロジェクトの話をしたところ、とてもいいチョイスだとおっしゃっていました。作者がとても才能のある若い女性だということ、作品がとても繊細で深みがあることなどを聞いて、ますますこの作品を日本語で読みたくなりました。
 
このたび少し中身を読ませていただいたのですが、主人公の苦悩と合致するような風景の描き方に心を奪われました。森の中を歩いていくシーンなどではヨーロッパの寒い湿った冷たい空気感が蘇るような気がしました。オランダといって思い浮かべる風車とチューリップというカラフルなイメージとは真逆ともいえそうな暗いモノクロの世界。主人公は人生半ば、かなり疲れています。あまり楽しそうでもないし裕福でもない。そんな人の物語ですが、タイトルのハチクマが象徴するようなメッセージに希望も見出すことができる、読み終えたとき、心にじんわりと温かさが残る作品です。
 
クラウドファンディング期間も10日を切りましたが、ぜひご支援お願いいたします。クラファン成立して一般に発売されるより少しお得に読むことができますので。
 
余談ですが、オランダ語を若い頃第1外国語として学んでいました。オランダ語って考えてみたら蘭学ですよね。福沢諭吉が習ってた言葉を自分も習っているんだと当時心が躍ったものです。ある時期日本に一番翻訳されていたのものってオランダ語からという時代があったこと、それが今ではあまり訳されていないという現実。そういう日本とのつながりを思うと、ぜひオランダ語の作品が多く訳されますようにと願ってやみません。
 
大西愛子

フランス語翻訳者・通訳
カナレス&ガルニド『ブラックサッド』の翻訳をきっかけに、バンド・デシネの翻訳を多くてがける。おもな訳書:アルカント、ボレ、ロディエ『LA BOMBE 原爆 科学者たちは何を夢見たのか』(平凡社)ボニファス&トミー『ジオストラテジクス マンガで読む地政学』(日経ナショナル ジオグラフィック)スコラスティック・ムカソンガ『ナイルの聖母』(講談社)など多数。



『LA BOMBE 原爆 科学者たちは何を夢見たのか』


『ジオストラテジクス マンガで読む地政学』


『ナイルの聖母』

 

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2024/08/26 12:08