image

女性ふたりの結婚式
『ジュリアンとウエディング』を翻訳出版したい!

新聞記者の小国綾子さんから応援コメント!

自分の「好き」と他人の「好き」がともに尊重されるために

 前作『ジュリアンはマーメイド』では、「性別にこだわらず好きな格好で堂々と振る舞っていい」というメッセージがまずまっすぐ胸に飛び込んできました。マーメイドのように装っている姿をおばあちゃんに見つけられちゃったジュリアン。しかられるかも……と心がしぼみ、鏡の中に自分の姿を見つめる時の彼の表情には胸が痛みました。だからこそ、おばあちゃんがジュリアンに薄桃色のネックレスを手渡す場面には胸がいっぱいになりました。
 自分が自分であることの大切さ、それを受け入れてくれる人がいてくれることの素晴らしさの両方を子どもに、そして大人にも教えてくれる絵本だと思いました。

 一方、本作『Julian at the Wedding』は、繰り返し読み返す中でじわじわと伝わってくるもののある作品だと思いました。自分の「好き」を大事にし、周囲からもそれを大事にされている人は、他人の「好き」も大事にできるんだなあ、と。マリソルが手に入れた「翼」とは何なのか。そんなことを、親子で語り合ってみたくなります。

 ところで、絵本の冒頭にはこんな言葉が出てきます。「Those are the brides」。そう、この結婚式は、レズビアン同士の同性婚なんです。同性婚がこんなにも当たり前のように、自然に、そしてあたたかく描かれていることに、はっとさせられました。

 日本でも司法が動き始めています。札幌高裁は3月、同性婚を認めない現行制度を違憲とする判決を出しました。世論調査でも同性婚を支持する人は既に過半数を超えています。それでも保守派の反発もあり、国会での法整備はなかなか進みません。

 未来を担う日本の子どもたちにも、この絵本を読ませてあげたい、と思います。美しい色彩と生き生きとした絵に触れることを通して、自分と他人の「好き」がともに尊重される喜びを体感してほしいと願います。(毎日新聞・小国綾子)



小国綾子

新聞記者。1966年大阪生まれ。京都大学教育学部卒。1990年毎日新聞入社。97年、夫の海外転勤に伴い退社。4年間の米国生活の後、2011年に再び毎日新聞社に入社。毎日新聞夕刊コラム「あした元気になあれ」連載中。著書は『アメリカの少年野球 こんなに日本と違ってた』(径書房 ミズノスポーツライター賞)、『?が!に変わるとき 新聞記者、ワクワクする』(汐文社 読書感想画中央コンクール課題図書)など。編訳書に『戦場の秘密図書館 シリアに残された希望』(文渓堂 読書感想画中央コンクール課題図書)がある。

おぐにさんには、こちらの記事も書いていただきました!
毎日新聞「あした元気になあれ」
 

2024/04/17 15:31