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トランスジェンダーの二人がオープンに語る
韓国発のコミックエッセイを翻訳出版したい!

一部先読みを公開しました!「マラン 第21章 改名」

こんにちは、akipakaです。先日、『マラン・シャイエン』の目次 を共有いたしましたが、今回の活動報告では、翻訳ご担当の吉良さまよりチョイスいただいた、マラン第21章「改名」を1章まるまるご紹介させていただきます! 行政手続きとして改名する前段階における、マランと家族とのやり取りをご覧ください!
 





【上図】
私にとって名前の持つ意味は大きい。
どんな名前で呼ばれるかによって、私を呼ぶその人がどんな存在なのか
敵味方の区別がつくと思うからだ。

【下図】
(イラスト内):改名の日

改名は、呼ばれる名前を変えることで以前の人生に別れを告げ、
新しい人生を始めるためのものだ。


【上図】
私は事情があってしばらく改名などの行政手続きができない。
それでも、新しい名前を先に決めておこうと
元の名前を付けてくれた父親にアドバイスを求めたけど、

【下図】
(セリフ上):名前? マランが好きな名前でいいよ。
(セリフ下):私が好きな名前…? 特に何も思いつかないけど…

そうやって新しい名付けは自分に任されて、当然ながら
数カ月過ぎても結論が出なかった。


【上図】
(セリフ左):もしもし。あ、お父さん。
(セリフ右):マラン。新しい名前を家族みんなで考えてみたよ。

ある雨の降る夕方
心の片隅にしまっておいた名前の悩みは解決した。

【下図】
(セリフ上):これからお前は息子になるんだから、新しい名前で呼ばなきゃな。
(セリフ下):うん、でも新しい名前が思い浮かばなくて


【上図】
(セリフ左):そうしたら、輝く【輝/ヒ】の字を使ってチャンヒはどうだい?
(セリフ右):あなたは輝く人だから。前の名前を残して、後ろだけ変えても組み合わせもいいし。

あなたがよければ手続き前はそう呼びたいの。改名手続きのときは好きな名前にして。

【下図】
輝くっだなんて…、ああ、もう!めっちゃ気に入ったよ。


(セリフ左から右に交互に)
チャンヒや~。
うん。
チャニや~。
うん!
チャヌ…じゃなかったチャンヒ!
もう、間違えちゃったな。
ハハ、うん。

その日は練習だと言って、何度も名前を呼ばれて電話を切った。
家族と離れて暮らしていたので、涙もろくなっていたみたいだ。


訳:吉良佳奈江
翻訳作業中のもので、完成版では異なる可能性があります。あらかじめご了承ください。

2024/03/26 10:52