こんにちは。発起人の安發明子です。
「私もエデュケーターになりたい!」というコメントがあり嬉しかったです。大学の講義でもエデュケーターの話をすると学生の何人かはフランスに渡りエデュケーターを職業にしたいと書いてきます。さまざまな現場で働くエデュケーターについて書いた記事をまとめたので、関心があるものがあったら是非読んでください。
エデュケーターはソーシャルワーカーの一種なので、先々日本で子どもに関する仕事につく人が、保育士や社会福祉士などにプラスして児童保護の専門となる資格をとり、よりスペシャリストとしてキャリアアップしていけるようにする方法なども考えられると思います。
エデュケーター資格は3年間で一週間現地、一週間座学の形で「知識」「実践知」「生き方と生きる姿勢」を同時に学ぶことが意識されています。自分で3カ所以上の雇用主に実習生として雇われ給料が支払われ認められなければ継続できないので、国家資格取得時には現場に認められ、ある程度自分のしたい仕事も明確になっています。
国のガイドラインで定めた職業と養成課程
エデュケーターは子ども、大人、家族、グループを対象に、脆弱な状況や障害を抱えている人に、相手が守られサポートされている条件を整え、権利が守られ、彼らの価値が引き出されることに貢献する。対象となる人の発展と開花を支える。
エデュケーターは人々を囲む環境と、社会全体に対し、社会的絆と連帯を強化することに寄与する。
エデュケーターの職業的姿勢は感情移入、傾聴と親身さを土台とする。相手に合わせるということは相手が必要なときに時間とエネルギーを割くことができるということである。教育的支援は、相手の希望や可能性に合わせておこなうものである。
職業的倫理憲章(全国エデュケーター協会)
エデュケーターとしての実践は、知識、(実践の中で蓄積し共有されている知識)、技能、価値、あり方をもとに、自分自身のために、そして自分をとりまく環境のために行動していくことが困難な人を対象に、社会的、教育的、精神的、物理的、健康的な条件が短期的そして長期的に改善することを目的とする。
教育的とは、知識、あり方、技能、重要とされている価値を包括的に伝達し発展させることを指す。
社会的とは、社会内で暮らすことを容易にするよう支えることを指す。
そのために関心のある機関や人、全ての力を集結させ、状況の改善につなげる。
全ての人が発展できるための手段を用意し、発展を保障する。
ある児童相談所のエデュケーターや心理士たち。赤いワンピースの女性が児相長
例えば在宅支援現場は1チーム10人で以下のような構成になっています。
チーム長、エデュケーター6人、ソーシャルワーカー1人、幼児エデュケーター1人、社会家庭専門員1人、心理士2人、(小児精神科医)、(異文化メディエーター)
6人程度の小チームで働き、チームの人は皆他のメンバーの担当する家族を知っています。チーム長が家族の最初の面接を担当し、難しい場面での面談のリードや電話をおこないます。
エデュケーター1人で担当する子どもは26人、だいたい10数家族ですが、幼児エデュケーターや心理士と適宜2人で担当を担います。
児童相談所では子ども23人くらいを担当します。
エデュケーター資格はじめソーシャルワーカーは医者と対比されることが多いです。専門性、最新の情報のアップデート、業界全体を見渡していることが求められる点などです。
看護師のように食いっぱぐれはなく、田舎に引っ越しをしても仕事があるのは魅力ですが、最近は特に独立したり、フリーランスとして働く人が多いです。独立して児相から家族を紹介されたり、専門学校で講師をしたり、フリーのSVになることなどです。
地方では公務員のような立場であるものの、都市部は給料が生活費に見合わないと人材不足が続き、引き抜きの多さが問題になっています。
・路上エデュケーター
https://akikoawa.com/street-educator/
・シェルター 子どもの支援
https://akikoawa.com/shelter-that-allows-you-to-run-away-safely-1/
・シェルター 親の支援
https://akikoawa.com/shelter-that-allows-you-to-run-away-safely-2-parental-care/
・ネットエデュケーター
https://akikoawa.com/internet-educators/
在宅教育支援エデュケーター (最後にエデュケーターの役割について書いた子ども向け冊子あり、241ページ以降はエデュケーターの動きについて具体的紹介あり)
https://akikoawa.com/childcare-policy-in-france-with-a-focus-on-home-support/
エデュケーターの言葉
「子どもが家に帰ったら昨日よりも気持ちよく家族との時間を過ごせること」
「子どもが親の世代よりも社会の中で生きやすく,認められていると感じて生きられるようにすること」
「個人がそれぞれの歴史の中で自分らしい開花を実現するのを支えること」
「子どもにとって,親が支えられ,より自分らしく生き,ソーシャルワークによる家族環境の改善を感じて育つ」
「目の前の問題はすぐには解決しないかもしれない.けれど,子どもが親になったとき,親がしたいことを実現している姿を見て育ったことが大事になってくる,次の世代の子育ても常に念頭におく」