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書籍『LGBTヒストリーブック日本運動史編(仮)』を制作発行したい!

文化人類学者・博士(学術)の砂川秀樹さんから応援コメントが届きました!

最近、私が2000年以降関わった東京の性的マイノリティのパレードについてインタビューに答える機会が何度かあった。

私は、2000年に実行委員長として、東京の性的マイノリティのパレード「東京レズビアン&ゲイパレード」を4年ぶりに復活させた。その後、2005-06年。2009-10年に同パレードの母体となる「東京プライド」の代表として、中断した同パレードの再建を担った。

当時の話を、2000年にはまだ生まれてない、現在のパレードに深く関わっている大学生に話しながら、その頃のパレード置かれていた文脈を伝えるのはとても難しいことだと思った。今の東京のパレードとは、規模ははるかに小さく、スポンサー層も違う。LGBTQという言葉が社会に流通すらしていなかった時代、「コミュニティ」の中での意味づけ、社会全体の中での注目のされ方といった文脈はあまりにも違う。

今やイベントの宣伝に中心的な役割を果たすtwitterがサービスを開始したのは、2006年のことだ。twitterはなく、しかし、ゲイ雑誌が大きな役割を果たしていた頃のパレードのあり方を、若い人たちは想像できるだろうか。そんな、今とは全く異なる当時のパレードはどういう存在で、どういう役割を果たしたのか。

他にも、(今で言うところの)LGBTQに関連したたくさんの活動が積み重ねられてきたわけだが、どれも、当時の様子を当時の文脈に置いて伝えるのはとても難しい作業だ。しかし、私も含め、当時のことを自分の経験として語れる人がまだ多くいる。今なら、まだ語り、書き残せることがたくさんある。しかし、もっと時が経ってしまったら、想像を届かせることは困難になってしまうだろう。

だから、今こうした記録を残すことはとても大事なことだ。自身も反省しなければいけないことだが、日本では、LGBTQの運動史の記述があまりにも少ない。その中で、この本は重要な役割を果たすことだろう。


砂川秀樹
文化人類学者・博士(学術)/  明治学院大学国際平和研究所研究員

 都留文科大学文学部英文科卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程満期退学。
 1990年からHIV/AIDSに関する活動や研究に従事。ぷれいす東京では、団体内のゲイグループ「Gay Friends for AIDS」の代表として1996年、厚労省疫学研究班とゲイグループの初めての協働研究を実現。電話相談の相談員も務めた。
 2000年には、東京レズビアン&ゲイパレード(のちの東京プライドパレード)を実行委員長として開催。その後、2005年、2006年、2009年、2010年に同パレードの母体団体TOKYO Prideの代表となり、2009年の東京プライドフェスティバル、2010年の東京プライドパレードでは実行委員長を兼ねた。
 2011年4月、故郷の沖縄に戻り、その年に「レインボーアライアンス沖縄」を設立。2013~2016年に沖縄初のプライドイベント「ピンクドット沖縄」を開催(宮城由香氏とともに共同代表を務めた)。
 2016年には東京に居を戻し、大学の非常勤講師として勤めながら、LGBTQに関するテーマを中心に講演、執筆活動を続けている。
 著書に『カミングアウト』(朝日新書)、『新宿二丁目の文化人類学』(太郎次郎社エディタス)、編著に『カミングアウト・レターズ』(太郎次郎社エディタス)など。
 

届く応援コメントに勇気をもらって、成立めざして頑張っております。
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2023/01/23 16:32