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フェミニズムの視点からトランス女性の経験をひもとく
金字塔的エッセイ『ホイッピング・ガール』を翻訳出版したい!

ご案内:全米初のトランス女性下院議員の軌跡『明日は変わる』翻訳出版プロジェクト実施中!

こんにちは、ザウザンブックスPRIDE叢書です。『ウィッピング・ガール』出版プロジェクトへのご参加、誠に有難うございました。

現在、PRIDE叢書では、全米初のトランス女性下院議員のサラ・マクブライドさん自伝『Tomorrow Will Be Different』(明日は変わる)の翻訳出版をめざすクラウドファンディングを実施しております。

ぜひこちらも『ウィッピング・ガール』同様、応援いただけますと嬉しいです!
 


また『ウィッピング・ガール』の訳者の矢部文さんにも応援いただき、力強い応援メッセージもいただきました。以下、ご案内させていただきます。
 


2024年の大統領選直後、ニューヨーク郊外で開かれた感謝祭ディナーに招かれたときのこと。家に入るなり、友人の姪が「どうしても聞きたいことがある」と私を別室に連れていきました。私がLGBTQ+の子どもをもつ親の団体「PFLAG」で活動していると知ってのことでした。彼女は小学5年生の子どもがトランスジェンダーで、思春期ブロッカーを検討していると言います。「これからジェンダー肯定医療はどうなるの?」と青ざめた姿に、選挙結果がもたらした不安の大きさを痛感しました。
 
トランプ政権は就任初日から、連邦政府が認める性別を男女の二つに限定する大統領令を出し、ジェンダー肯定医療への助成金を縮小するなど、トランスジェンダーの人権を後退させる政策を次々と打ち出しました。さらに、米国国立公園局はLGBTQ運動の始まりを記念する「ストーンウォール国定記念碑」から「トランスジェンダー」という言葉を削除するなど、人口のわずか1パーセントにすぎない人々が、政治の力によって「いないもの」とされていったのです。
 
その一方、デラウェア州から一つの希望が生まれました。サラ・マクブライドが、米国議会で初めてオープンリートランスジェンダーの女性として下院に当選したのです。建設業界から郵便局員まで幅広い労働組合が彼女を支え、全米から寄付が集まりました。象徴的な「最初のトランスジェンダー議員」としての期待だけでなく、「この人なら生活を良くしてくれる」という信頼が、彼女を議会へ送り出したのです。
 
彼女の議会デビューは簡単ではありませんでした。「生物学的性別」に基づくトイレ利用を強制する決議案が提出され、委員会では侮蔑的に「ミスター」と呼ばれるなど、組織的な嫌がらせが続きました。それでも彼女は動じることなく、病気の子どもを抱える家庭や介護を担う人々のための有給休暇、医療アクセスの改善といった、市民生活に直結する課題に取り組み続けています。
 
「デラウェア州民のために働くことが最優先」。そう語る彼女は、象徴としての役割を期待する声と、実務家としての責任の間で揺れることなく、常に「市民の生活を良くする」ことを目指しています。LGBTQ+コミュニティの中には「議会のトイレ問題でもっと戦ってほしかった」と望む人もいますが、彼女は自分が選ばれた理由を、まずは「市民を代弁すること」として捉えているのです。
 
存在を消されかけたトランスジェンダーの人々の中から、誰もが関係する国政に携わる人物が現れた。その事実は、トランスジェンダーの子どもたちにとって、そして不安の中で子どもを支える親たちにとって、何よりの希望となるはずです。
 
本書は、そんなサラ・マクブライドが自ら語る「始まりの物語」です。逆風の時代に、なぜ彼女は政治を選び、どのような活動を通して人々の信頼を得てきたのか。彼女の体験は、遠い国の政治の話ではなく、私たち自身がどんな未来を選び取るのかを考えるきっかけにもなるでしょう。
矢部 文(やべ・あや)



『Tomorrow Will Be Different』(明日は変わる)翻訳出版プロジェクトへのご参加、
どうぞ宜しくお願いいたします!

 

2026/03/13 11:44