image

フェミニズムの視点からトランス女性の経験をひもとく
金字塔的エッセイ『ホイッピング・ガール』を翻訳出版したい!

応援メッセージが届きました! ちょろ(薄井良子さん)より

 こんにちは。2020年12月30日、まめたさんの「トランスとフェミニズムの本ですが、誰かオンライン読書会しませんか。」というツィートに「はーい!」と手をあげた、ちょろです。 
 私は2015年にセラーノの初版本(2007)に出会っていました。英国の新聞においてトランスジェンダーがどのように表現されてきたかについて、1994年から2015年までの20年間を、英国の大学院で調査研究していたときのことです。トランスジェンダーの研究をするならWhipping Girlは必読の書という位置づけでした。
 その2015年は、米国では「トランスジェンダー可視化の年」と言われました。たしかにメディアを賑わしたことは事実でしたけれども、注目されるのはCaitlyn Jennerを筆頭にほとんどがトランスウーマンでした。私の調査においても新聞に登場するのは、20年間を通して圧倒的にトランスウーマンでした。まるでトランスマンは存在しないかのようでした。 
 なぜか。それについて、セラーノはひとつの答えを提供しているように思います。ただ、それを「正解」とうけとめるだけでよいのか。トランスウーマンについての説明にはなりえていても、トランスマンについて説明していることになるのか。そもそもトランスジェンダーのありようは、米国内に限定しても、同じとみなして議論してよいのか。セラーノの見解は日本社会においても同じようにあてはまるのか。いろいろ考えるべきポイントもあるように思います。ちょうど一年前に始まった読書会でも、議論したくなることがあとからあとから出てきて、いつも時間切れでした。 
 日本語版を手にすることによって、セラーノの見解を批判的に読む楽しさをわかちあう仲間をさらに広げることができます。もちろん、ひとりで読むのも良し、対面やオンラインなどで他者と対話しながら読むも良し。私自身も出版の暁には、日本語版の読書会を通して、さまざまな読み手の思いや意見をともに聴くことを今から楽しみにしています。
 そして、ちょっと野望もあります。読みっぱなしにしないで、いつか、日本の読者の読みをセラーノに伝え、ディスカッションするイベントができるといいなと思うのです。クラファン賛同者のみなさん、一緒にやりましょうよ!
クラファンは4月14日(木)まで‼ 
 

ちょろ(薄井良子)
関西学院大学 神学研究科前期課程を3月に修了予定。専門はフェミニスト神学。これからはクィア神学も。かつての専門は社会言語学と日本語教育。1960年生まれのnonbinary_asexual。 

2022/03/08 15:50