こんにちは!発起人の遠藤まめたです。このたびトランスジェンダーの経験をひもといた金字塔エッセイ『ホイッピング・ガール』を日本語でも読めるようにしよう、というプロジェクトに関われて、とてもうれしく思っています。
この本はジュリア・セラーノというトランス女性でフェミニスト、さらに生物学者というユニークな視点をもつ著者によって書かれています。そのように聞くと「学術的で難しそう」と思われる方もいるかもしれませんが、親しみやすさやユーモアもあるのがこの本の魅力です。
ひとくちにトランスジェンダーと言っても、トランス男性とトランス女性では世間からの眼差しが異なることについて、本著は取り上げています。なぜ、トランス女性に対しては偏見の眼差しが強く向けられるのか、といった事柄について、著者は「トランス女性に対するフォビアは、単にトランスフォビアなのではなくて、フェミニン(女性的)であることそのものが社会の中で貶められ、誤解されているからだ」と解き明かしていきます。
トランス男性がマスキュリン(男性的)であることはスルーされやすいのに対して、トランス女性がフェミニンであることは、だれかを性的に貶めるためだとか、わざとらしいとか、人工的とか、いろんな疑いの目をむけられ、曲解されます。トランス女性の解放とは、実のところフェミニンであることに対する誤解を解くことで、トランスではない人も含めたすべてのフェミニンな人たちの解放につながる、という話が展開されていきます。
この本は5年前にシアトルで働く友人からお土産にもらい、その後、小さな読書会を仲間たちとひらいて、わいわい議論しながら読み進めました。日本語に翻訳されることで、このような輪が日本中に広まることを期待しています。
ぜひ「ホイッピング・ガール」翻訳出版プロジェクト、応援してください!
遠藤まめた