『ワイン知らずマンガ知らず』の出版企画を応援してくださっている皆様、いつもありがとうございます。
8月のプロジェクト成功へのご支援、本当にありがとうございました。あれから3ヶ月が過ぎ、暦はもう11月、秋も深まってまいりました。ワインは新酒の季節です。イタリアではノヴェッロ、フランスではボジョレー・ヌーヴォー、ドイツではデア・ノイエが解禁されます。2021年ビンテージの出来を占う上でも、楽しみな時期を迎えています。
さて、本書の監修に当たる私の活動として、2つの取り組みについてご報告申し上げます。
まずは最大のテーマである自然派のブドウ栽培とワイン生産の検証です。本書に描かれる栽培やワイン醸造の工程に問題はないか、解説を施すべきポイントはどこかを検証しています。
実際にワイン造りに携わっている方には、とても重要なアドバイスを頂いています。とりわけ日本の自然派ワインの第一人者、大岡弘武さんのご指摘は大変貴重です。大岡さんは本場フランスのボルドー大学に学び、自然派ワインの巨匠ティエリー・アルマンに師事して、彼のドメーヌの栽培長に上り詰めた実力者。本書の主人公リシャール氏と同じく、ブドウ作りからワイン醸造までを一人でこなす、言わば自然派ワインのプロです。現在は、岡山県でご自身のドメーヌ「グランド・コリーヌ・ジャボン」を経営され、自然派ワインを追求し続けていらっしゃいます。このような方からのご指摘は、実に的確で奥深く、本書の解説において大いに活かしていきたいと思っています。
Zoomでのインタビュー。左:拙い質問にも丁寧に答えてくださる大岡弘武さん
取り組みのもう一つは、本書を知っていただくためのPR活動です。クラウドファンディングに取り組んで実感しましたが、フランス漫画を始め、ヨーロッパ漫画への関心は、日本ではまだ低く、まして農作業のお話となると、なかなか興味を持って頂けないのが現実です。しかしながら、本書をともに紐解き、ブドウ栽培やワイン醸造の解説を交えると、大変興味を深めてもらえることがわかりました。
そこで財団法人日伊協会にご協力を頂き、10月28日から本書のイタリア語版をテキストにした「マンガで楽しむイタリア語」という講座を開催しています。今回はビオディナミ農法によるブドウ栽培の要所要所を取り上げ、セリフの読み解きをしながら、十数名の参加者と本書の楽しみを分かち合っています。本講座は来年3月にかけ、全7回で行います。このように少しずつですが、本書の価値を理解してくださる方が増えることを期待し、PR活動を続けてまいります。
日本語版の刊行は、来年2022年の春をめざしています。手に取って頂ける皆様には、より良く、より深く本書を楽しんで頂けますよう、気の利いた解説が書けるように残りの期間を頑張ってまいります。どうぞ引き続きの応援をよろしくお願い申し上げます。
発起人 京藤好男