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エイズが死に至る病だった1990年代前半、
医療従事者や患者を描いた海外コミックス
『テイキング・ターンズ HIV/エイズケア371病棟の物語』を翻訳出版したい!

CAVA BOOKSの宮迫憲彦さんから応援コメントが届きました!

みなさん、はじめまして。
CAVA BOOKSという本屋を営んでいる宮迫と申します。

さて、当店は京都の出町エリアにある映画館「出町座」の中にある小さな本屋です。
映画と本を一緒に楽しめる場所としてスタートした出町座も、早いものでオープンから3年が経過しました。

当店は在庫数が2000冊程度の非常に小さなお店なのですが、その中でも大事にしているジャンルが海外文学とグラフィックノベルです。

映画には原作モノが多いことから、海外文学はもともと出町座と相性がよいのですが、わたしは海外文学が好きで本屋をやっているようなものなので、とりわけ力を入れています。

海外の作品を読むたびに思うことは「違うけど同じ」だということです。

訪れたことのない(ほとんど知識がない)国が舞台の物語だと、そこに登場する固有名詞や宗教的な記述がわからなかったりするので、それが非常に面白かったりするのですが、作品で描かれている人々の、人間としての葛藤や苦悩、あるいは喜びのようなものは国や言語、思想という垣根を越えて共通していたりもします。

海外の作品に触れる喜びや楽しみは、まさにこういうところにあるのではないかと思います。

日本では近年、人種差別やマイノリティなど社会的な問題をテーマにしたグラフィックノベルが多く刊行されています。
日本人には縁遠いテーマを扱っているように思えるこれらのグラフィックノベルですが、一読すれば実は無関係どころかまさにわたしたちの直面している(あるいはまもなく直面するであろう)問題でもあることに気づきます。

違うようで同じことを描くという意味でグラフィックノベルも文学作品と同じような楽しみ方ができるのではないかと思っています。
むしろグラフィックノベルのほうが「グラフィック」を伴っている分、より楽しめるのではないかとすら思います。

さて、今回の「グラフィック・メディスン」ですが、著者のHIV/エイズケア病棟での看護師勤務経験に基づく回想録(グラフィック・メモワール)かつ、さまざまな関係者の証言を織り交ぜて製作された「グラフィック・ドキュメンタリー」です。

人間誰もが病気や大病にかかる可能性をもっています。
自分自身だけではなく、家族や友人を含めるとほとんどの人が将来的何かしらの病気に向き合うタイミングが来るはずです。

その意味では、「患者/その家族/医療従事者」それぞれがどのように苦しみ、悲しみ、そして希望を抱いていたのか、それをノンフィクションで描く本書は、多くの人にとってとても大事な一冊になるはずです。

本書が日本語に翻訳され、一人でも多くの方に読まれることを願っています。

 

宮迫憲彦

大学卒業後、大手書店チェーン勤務を経て出版社で働く。
現在は出版社の営業職として働きながら、個人活動として本屋CAVA BOOKSを営んでいる。
http://cvbks.jp
 

2021/01/26 12:31