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韓国で美しい単行本になり、台湾・フランスでも翻訳された、
ボーイ(ズ)ラブコミック『キミのセナカ』を日本語で書籍化したい!

『キミのセナカ』を日本でも出版したいと誓った台北プライドパレードの一日

皆さん、こんにちは!
『キミのセナカ  너의 뒤에서』 出版プロジェクト、発起人のloneliness books 潟見です。

5月19日(火)からスタートしたこのプロジェクトも、あっという間に残り1週間ほどとなりました。応援してくださる皆さんがどんどん広げてくださり、おかげさまで、まもなく支援者数は430名ほど、140万円に届く金額が集まっております。支援いただいた皆さん、本当にありがとうございます!

なんとかプロジェクトを達成して、皆さんのお手元に『キミのセナカ』を必ず届けたい!そして日本各地、まだこの物語に出会っていないたくさんの人に伝えていきたい!そのために残りの期間、情報拡散にどうか皆さまのお力添えを、もう一押しいただけますと幸いです。

思い返せば発起人として活動しております私が、『キミのセナカ』を日本でも出版したいと心に誓ったのは、去年10月、台北プライドパレードを歩いた日に遡ります。
2019年10月26日、『キミのセナカ』の台湾での出版契約の為に、はじめて台湾を訪れた6699pressのジェヨンさんと一緒に、数十万人が参加するアジア最大のパレードを歩きました。



爽やかな風が吹く快晴の下、スタート地点の市政府広場は、台湾のクィアな出版物やグッズを販売するブースがたくさん並んで、身動きできないほどの人で溢れていました。私とジェヨンさんは人並みに押されながら、良さげな本が並んでいたブースになんとか辿り着き、そこで本を物色していると、偶然にも売り子をしていたのが、『キミのセナカ』台湾版を出版する逗點文創社 comma BOOKSのシャーキーさん!少々人酔い気味だったのに、人懐っこいシャーキーさんに会うと癒されてホッとしたものです。


シャーキーさんがリーダーを務める台湾独立出版協会のブースは、どの本も装丁が綺麗で気になるものばかり、その中からシャーキーさんにオススメを聞くと『我的蟻人父親 His Gay Son』という本を薦めてくださいました。ゲイの息子がずっと避けたままで亡くなってしまった父親に向けて書いたもので、2019年台北国際ブックフェア 最優秀ノンフィクション賞受賞した作品だそうです。

さぁ、私とジェヨンさんはいよいよパレードに出発!アジアではじめての同性婚が実現した台湾の歴史的な年のパレードは笑顔が溢れています。コールしながら、ダンスしながら、路地に抜けてお茶しながら…セクシュアリティ、ジェンダー、世代、人種、職業、本当に多様な人たちが、長距離を数時間かけてゆったりと歩き、終盤にはみんなで歌ってゴールへ。「なんという多幸感」ジェヨンさんも私も本当に感動しました。

パレード後は古亭に移動して、『キミのセナカ』の翻訳を担当するYuruさん、デザインを担当するFengyiさんとも合流し、はじめて食べる台湾伝統料理をいただきました(美味!)。そして、シャーキーさんが経営する素敵な書店duzubooksへ、パレードが開催された記念すべき日に『キミのセナカ』台湾版の出版契約です!翻訳や装丁デザインの相談、契約の確認、そして書類にサイン、本の契約をする現場をはじめて覗かせてもらって、「ああ『キミのセナカ』を日本でも出版できたらなぁ」契約書にジェヨンさんがサインするのを見ながら、そう思いました。

無事契約を終えて、ジェヨンさんと私は素晴らしい1日の締め括りに、賑やかな西門町のクラブへ。ドラァグクィーンのキムチーが鶏に扮して踊るショーを観つつ、私は多幸感に包まれた一日を振り返っていました。その時ふと「『キミのセナカ』を日本でも出版できたら…ではなく出版したい!自分で動いてみよう」と思い立ったのです。
ジェヨンさんが野原さんに送った一本のメールから4年をかけて、韓国で一冊の美しい本になった『キミのセナカ』。その後、大阪で開催されたアジアブックマーケットでシャーキーさんの目に止まり、台湾でも出版されることになった。一つの作品が海を越えて繋がっていく瞬間を近くで目の当たりにして、この繋がりをもっと作っていきたい、広げていきたい、そんな気持ちがとめどなく湧いてきました。

日本と韓国のコラボレーションで生まれた『キミのセナカ』の出版プロジェクト。サウザンブックスさんのプライド叢書の協力を得て達成した先には、韓国、台湾、香港…アジアのクィア、ファミニズム、ジェンダーなどにまつわる本を翻訳出版していくレーベルのように、皆さんと育てていきたいと思い描いています。

コロナ禍で今年はソウルにも台北にも行けそうもありませんが、そんな状況にもめげずに『キミのセナカ』が韓国ー台湾ー日本、そしてアジアを繋ぐ架け橋になりますように。


loneliness books
潟見陽



左から、Fengyiさん、Yuruさん、筆者、ジェヨンさん、シャーキーさん

 


『我的蟻人父親 His Gay Son』coomaBOOKS 2018




台北プライドパレード、ゴール地点の総統府前広場にて




ドラァグクィーンのキムチーのショー



『キミのセナカ/在你背後』coomaBOOKS 2020
 

2020/08/11 11:27