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韓国で美しい単行本になり、台湾・フランスでも翻訳された、
ボーイ(ズ)ラブコミック『キミのセナカ』を日本語で書籍化したい!

韓国クィア文学シーン注目の作家キム・ボンゴンさんから応援コメントが届きました!

日本でも韓国のフェミニズム文学が話題になり次々と出版されていますが、韓国ではフェミニズム文学に続いて、2018年ごろからクィア文学がブームになり、若い作家が次々の登場し注目されています。
自身のセクシュアリティをカミングアウトし、ゲイの愛の物語を綴る作家キム・ボンゴンさんは、その中でも最も注目されている小説家。

『夏、スピード(仮) 여름, 스피드』という小説集に収録されている「カレッジフォーク」という作品は、ルームメイトの元恋人に新しい彼氏ができたのをきっかけに、30歳で京都造形芸術大学に交換留学生としてやってきた主人公が、担当教官の教授と肉体関係を持ち、短い季節を情熱的に過ごすという、京都を舞台にした作品も書かれているほか、日本文学やJ-POPにも造詣が深いボンゴンさんの小説には、日本の文学作品やアーティストの名前もよく出てくるそうです。

5月に出版されたばかり新作『時節と気分(仮) 시절과 기분 』は、「私」が自分のゲイというセクシュアリティを自認する前に、唯一付き合った女性、ヘインと7年ぶりに再会することからはじまる表題作「時節と気分」。生涯で最も愛したひとりの男性との別れを描いた「エンドゲーム」、「マイ・リトル・ラバー」など、2018年春から2019年夏までに発表してきた作品6編が収録され、ソウルの書店の売り上げで、5月のベスト10内にランキング!!これからの活躍にますます期待が高まる作家です。

さてさて、そんな小説家キム・ボンゴンさんから『キミのセナカ』に寄せられたコメントが、ソウルから届いたので紹介いたします!
 


 制服を着ていても着ていなくても、誰しも「生徒」であることを強いられる時期がある。そんな日々の中で、純愛と割愛を繰り返し、なんとか生き抜き成長する。流れる季節の中で変わったり変わらなかったり、同じだったり違ったりすることを一瞥し、自分という存在がより一層自分になっていく驚き。

 野原くろの描く「セナカ」は、過ぎ去った時代であり、寄り添える場でもあることを知った。巡りゆく季節のように歯車はゆっくりと回り、いつしかタケルとコウタロウの背中を見つめる僕たちを、春のときめき、夏の暑さ、秋のほろ苦さ、冬の冷え冷えしさを、「キミのセナカ」で発見する。背中に触れた手から温もりが伝わるような、限りなく優しい作品だ。

 キム・ボンゴン/小説家

 (翻訳:植田祐介)


『夏、スピード(仮) 여름, 스피드』



『時節と気分(仮) 시절과 기분 』



今回の『キミのセナカ』のクラウドファンディングをきっかけに、日本ではなかなか出版にいたっていない韓国のクィア文学作家の作品も、翻訳出版していくことができたらと夢を馳せています。

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潟見陽
 

2020/06/16 14:14