image

韓国で美しい単行本になり、台湾・フランスでも翻訳された、
ボーイ(ズ)ラブコミック『キミのセナカ』を日本語で書籍化したい!

発起人のloneliness books 潟見より、みなさまへ

みなさん、こんにちは!『キミのセナカ  너의 뒤에서』日本での単行本出版プロジェクト発起人の潟見陽と申します。
普段はグラフィックデザインの仕事に携わっており、去年から、東アジアのクィアな本やzineを紹介するオンラインのブックストア“loneliness books”を運営をしています。

先週5月19日(火)から、この『キミのセナカ』プロジェクトがスタートして、1週間が経ち、すでに80名近くの方にご支援いただいております。本当にありがとうございます!
初めてのクラウドファンディングの取り組みで、どんな反応をいただけるか応援コメントや目標達成率を、3時間おきくらいにドキドキしながら見るのが、すっかり習慣になっています。

さてさて『キミのセナカ』は、日本の漫画家・野原くろさんの作品が、韓国、台湾、フランスを経由して、日本で単行本として出版したい、という一風変わった道を歩んできたプロジェクトです。

きっかけは韓国の独立出版社6699pressのイ・ジェヨンさんが、2015年にカミングアウトをテーマにした本を制作する際、その中に収録する短編コミックを、ぜひ野原さんに書き下ろしてほしいと依頼したのがはじまりでした。
そうして6699pressから出版された『6』という本は、その後韓国で、ものすごい勢いで製作されていくクィアをテーマにした、アイデアもデザインも優れた数々の出版物の口火を切ったエポックメイキングな作品でした。

僕もこの5年ちょくちょく韓国へ行くようになり、その度に野原さんの絵が、ゲイコミュニティだけにとどまることなく、一般の大きな書店やお洒落な独立書店、カフェ、アートブックフェアなどいろいろなところで、じわじわ浸透しているのを見て、自分ごとのように嬉しくなったものです。
また韓国の読者の感想などを読んでみても、性別によらず、人に言えない秘密を抱える苦しみ、カミングアウトの葛藤、セクシュアルマイノリティの友達のことを思ったなど、たくさんの共感が伝わってきて胸がジーンとしたものでした。

6699pressのジェヨンさんは一人で出版社をされていますが、本業は、実力も人気も兼ね備えたグラフィックデザイナー。『キミのセナカ』は本の装丁も本当に素晴らしいのです。
野原さんが描く絵の柔らかさに、ぴったり寄り添うデザインで、紙の本ならではのプロダクトとしての美しさがたまりません。この素晴らしい装丁はできるだけ再現したいと思っています。

日本にはこれまで積み重ねてきた漫画文化があり、本当にたくさんの作品が流通していますが、
一般の書店に並ぶコミックとしては『キミのセナカ』はこれまでにない作品です。
「地方都市の高校生が好きな男の子にカミングアウトする。大きな事件は何も起きないし、登場するのは、美男子じゃないちょっともっさりした高校生ほとんど二人だけ」
シンプルだけど、いつまでも心に残る、日本と韓国のコラボレーションで生まれた素敵な作品が、ゲイコミュニテイだけでなく、たくさんの人に届くといいなぁと夢見ています。

そしてさらに夢を膨らませると、このプロジェクトが最初の橋渡しになって、6699pressが出版しているフェミニズムやマイノリティにまつわる素晴らしい本や、今本当に刺激的で面白い韓国をはじめ、アジア各地の素晴らしいクィアな本を、日本で翻訳出版していくレーベルのようなものを作っていきたいと考えています。翻訳されたものが読みたい!装丁が素晴らしい!そんな本がアジアには本当にいっぱいあります!そのための最初の一歩として、ぜひ『キミのセナカ』プロジェクトをぜひ成立させたい!

どうか、これから約3ヶ月間、応援よろしくお願いいたします!

loneliness books
潟見陽

 

2020/05/26 15:30