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不妊治療、養子、LGBTQ、子をもたない選択
子どもをめぐるすべての選択を肯定する米国のノンフィクション
「子どもを​迎えるまでの物語」を翻訳出版したい!

制作状況のご報告 (翻訳編その2)

こんにちは、石渡悠起子です。
まず、豪雨により被災された皆さまに心からお見舞いを。
一日でも早い復旧と皆様の安全をお祈りしています。

私の住む東京も長雨が続いています。
この時期の湿った重い天気が本当に苦手で、疲れもありじんましんが出たりしていました。年を重ねてますます体は正直になるなぁ、としみじみ実感します。
早寝早起きのリズムに調えて、とにかく元気で会社の仕事とこの本の翻訳をやりきりたいなと思います。
みなさんも、自分なりのすこやかなバランスと共にお過ごしくださいね。

そんな長雨の季節の中、翻訳作業はこの週末で6割終了しました。
ちょうど、著者が体外受精治療に挑む章を訳し終えたところです。
何度も読んでいる場面ですが、ついに胚移植をむかえる場面で毎回感情が揺り動かされます。

先日、7月17日金曜日に、UMU主催の『産む?産まない?もつ?もたない?~「生殖物語」で描いた“理想”の人生とのギャップを語ろう~』というイベントにゲストとして招いていただき、掲題のテーマを、酒井なつみさんと小安美和さんと共に語り合う機会をいただきました。会のグラウンドルールにもあったので、詳細はここでは細かく書くことはしませんが、産む人生、子どもを育てたい人生、産まない人生などにまつわる深い話をたくさんしました。
Zoomでの開催だったけれど、参加者の皆さんとも活発にやりとりができた濃い時間となり、私自身が何より励まされたイベントでした。

私は、個人の物語(ナラティブ)を、正直にオープンに語り合うことに、いつも勇気をもらいます。
似たような境遇というものが存在しても、本当に1つとして同じ人生、同じ苦悩はないけれど、どの人生もたった1つの旅で孤独だけど、皆自分だけの答えを探して選びとるという点では、私たちは1人じゃないのだと思う。

どの選択肢が正しい誰が間違っている、とか考えを押しつけあうのでもなく、無理矢理励ましの言葉を押しつけるのでもなく、「私はこれを選んだんだよ」と開いて語り合うこと。それが私に力をくれるのだ、とあらためて思いました。

そして、『The Art of Waiting』 というこの本も、そんな力を持つ本だとあらためて思っています。そんな素晴らしい本を私に訳す機会をくれて、応援してくださっている皆さん本当にありがとうございます。
翻訳しながら、もう皆さんとたくさん語りあっている気持ちですが、早く実際に語り合えるように、今は目の前の作業にコツコツ向き合いたいと思います。

また、書きます。
自然にも、わたしたちにも、すこやかな夏がおとずれますように。


石渡 悠起子

2020/07/27 12:03