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不妊治療、養子、LGBTQ、子をもたない選択
子どもをめぐるすべての選択を肯定する米国のノンフィクション
「子どもを​迎えるまでの物語」を翻訳出版したい!

『子どもを迎えるまでの物語(The Art of Waiting)』一部先読みを公開します!

ファンドがスタートして1か月あまり、まもなく20%達成です。支援や拡散にご協力くださったみなさま、ありがとうございます。

『子どもを迎えるまでの物語(The Art of Waiting)』の一部試し読みを公開します。なぜ著者ボグスが、子どもについてのさまざまな選択に向き合った人達の話を聞きたいと思うに至ったのか。彼女自身の体験から、妊娠についての決意を医者に伝える時の心情がリアルに書かれています。ここに続く第三章から具体的なケースが紹介されていきます。

今後も少しずつ内容についてご紹介できるよう準備を進めておりますので、楽しみにお待ちください。

 


第二章より

 体外受精治療を始める五年前、子どもをもつことを決めたときに、私はかかりつけの婦人科医に伝える良いタイミングだと思った。定期検診に行って、どうやって言おうとか、何かあれば自分の健康について聞いておいた方がいいことはあるかどうかとか考えていた。


 私は、もったいぶった感じがしたので「妊活」を始める準備ができたという言い方はしたくなかった。私は医者の前ではいつも優等生に振る舞い、自慢げに(時々てきとうにごまかしながら)喫煙の習慣の項目には「なし」に印をつけて、一週間のうちの飲酒量の項目は「一日一杯未満」を選び、運動は「週に三回から五回」を選ぶのだけれど。その間ずっと、いつ言おうかずっと気まずくタイミングを待っていたのを覚えている。最後に、先生がなにか質問はないか聞いたので、私は出し抜けに、もう避妊経口薬を飲みたくないです、妊娠するつもりなんです、と口走ってしまった。採用面接で将来の計画について話すときみたいに、堅苦しくて、嘘くさくなってしまった。先生は、安心させるような前向きなことを何か言ってくれたけれど、私は恥ずかしくって、もしうまくいかなかったらどうしようと既に怖くなっていた。


 そして、うまくいかなかった。多くの人たちにとって、物事はうまくいかず、私たちは選択肢とともに残される。不妊治療をするか。子どもを一人で迎えるのか、それともパートナーと一緒に迎えるか。国内で特別養子縁組を組むか、それとも海外からか。子どものいない人生、または子どもを持たない事を自らの意思で選んだ人生を生きていくか。
私は、自らの選択肢に向き合い、選んできた他の人々の物語や、私がこれまで聞いてきた話とは違う様子の話に興味を抱いた。


 語られることのない物語、一部の人は聞きたがらない物語に興味を持つようになっていった。私は、「挑戦」に興味を持ったのだ。

 

 

2020/03/23 16:09