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インドの叙事詩「マハーバーラタ」を題材とした現代転生ファンタジー小説
『Aru Shah and the End of Time』を翻訳出版したい!

登場人物紹介:お助けキャラ「ブー」

皆さま、本書に関心と応援をお寄せいただき、誠にありがとうございます!
おかげにより、緩やかに伸びて、現在は目標額の1/8を少し超えました。
また、宣伝を拡散シェアくださっている皆さまのご様子も目にして、大変、嬉しく思っております。

微力ではございますが、応援団も、本書の魅力が多くの方に伝わるよう、引き続き邁進いたします。

今回ご紹介する仲間は、ヒロインたちの導き手となる、賢くて厳しい、しゃべるハトの「ブー」です!

https://www.readriordan.com/character/boo/

先輩作であるパーシー・ジャクソン・シリーズにおいては、パーシーの親友グローバーが「導き手」の役を努めます。突然、半神(デミゴッド)であることを知らされた現代人の主人公に、ガイドは大切な存在です。
ブーは、小動物の肉体に偉大な責任感を抱いて、このポジションに就任します。……親しみやすく情の湧く相手だったグローバーと比べると、いささか気難しく口喧しい相棒ではありますが。

なお、著者紹介によると、この作品は「祖母から語り聞かされた物語、そして美少女戦士セーラームーン・シリーズに対する愛から(!)」霊感を受けて誕生したとのこと。
魔法のお助けキャラ、サイドキック、コミックリリーフ、メンター……小動物か何かの姿をしたマスコットは、戦うヒロインに欠かせないもの、必然的と言うべきでしょうか。

一人一人、時に衝突しつつ、時に友情を深めながら、集い、結び付いていく、五王子の生まれ変わり――五人(となる予定)のヒロインたちを、厳格な教師のように、彼は教え導き、羽で顔を叩き、嘴で突いて進ませます。

彼の姿は平凡なハトですが、何千年という年の功を身に着けています。口調は朗々と重々しく、その声は、アル曰く――「うちの数学の先生みたい。アカペラを歌おうとした矢先にレゴを踏ん付けたときの。そのあと一日中、用心深くて不機嫌だった」。彼の神経質な人間性(?)が覗える描写ですね。

「ブー」という呼び名もまた、愛称です。彼が自称した名前は「スバラ」ですが、アルにとっては呼び難かったようです。
ちなみに「スバラ」は、マハーバーラタに登場する名詞です。この名前が本作の中で持っている意味は、叙事詩における名前の意味と少々異なりますが、重大な暗示を秘めています。

アルやミニたちと同様、ブーもまた、小さな身体に苦悩を隠しています。
冒険の途上、悪意に満ちた敵に「ブーではなく、『ショッキー』とでも呼んでやればどうだ?実にショッキングなことだからな!」と嘲笑されながら、彼の「過去」が暴かれます。
それは、ヒロインたちと導き手の信頼を打ち砕こうとする、大きな重荷でした。

アルたちは、ブーの正体を、その真実の重大さを理解したのち、自分たちの結論に至ります。おそらく、ブーは全くの悪でもなく、全くの善でもなく、ただの「人間」なのだ……ハトの姿の、と。

また、全く別の場面ですが、アルはこんな独白をしています。
「ママが語り聞かせてくれた話の中で、最高のお気に入りのひとつがこれだ。『邪悪も時に英雄のような行為をする。英雄も時に邪悪のような行為をする。全ての者が、少しの善と少しの悪を持っている。』」

善悪の混交。これは、まさにマハーバーラタの主軸となる要素のひとつです。
そして、この善と悪のテーマを厚い帳に隠しながら、物語の鍵を握るキャラクターが、印象的なシーンを演じるのですが……最大の核心に触れてしまうため、詳細は是非、実際に本書でお読みいただきたいところ!

アルの感受性やミニの潔癖性が、長所と短所の源であったように、善悪の両面が、ブーという個性の本質を織り成しています。
本作の底を流れる、このような感性の基調は、叙事詩における善と悪、栄光に対する罪と罰という、ひとつの根から育った樹のように感じます。

今回まで、主要な仲間たちを一通り紹介いたしましたが、このほか、時に幻想的・時に現実的な、多数のキャラクターが登場します!
世に比類なき美しさと激しい気性を持つ最高の天女ウルヴァシー、ヒロインたちに戦術を指導する紳士的で思慮深い神猿ハヌマーン。愛と哀しみを隠し通してきたアルの母親、K.P.シャー博士。などなど……。

シリーズが進むに連れて、仲間たちは続々と冒険に参加します。敵として立ち塞がる変幻自在な魔神たち、ある意味で敵以上に恐ろしい試練を与える神聖な存在たち。いずれまた、ご紹介したいと思っています。

ちなみに発起人( @PandavaSisters )のアイコンは、メンバーのUさんにお願いしたブーのイラストです!
気難しい真顔で好物のオレオを貪っている横顔が、彼のイメージを遺憾なく表現しています。この場を借りて、あらためてお礼をいたします。Uさん、ありがとう!!

2019/12/06 15:42