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10代レズビアンのリアルな青春とサバイバルを描いた映画原作小説
『The Miseducation of Cameron Post』を翻訳出版して若者に届けたい!

『The Miseducation of Cameron Post』第一部あらすじを紹介します

達成率がぐんと伸びて55%となりました。このまま勢いに乗って残りの11日間を駆け抜けたいと思います。引き続きご協力どうぞよろしくお願いいたします。

すでに先読みとして第1章を公開していますが、今回は第一部、キャメロンの中学時代のあらすじを紹介します。映画では語られなかった部分です。

小学校最後の夏休みに両親を事故で亡くしたキャメロンの暮らしは激変します。生まれ育った町で居場所を失い、孤独を感じているキャメロン。あらすじを読んだだけでも胸が痛みますが、それにも負けずにたくましく生き抜いていくキャメロンの姿は、第一部以降で読むことができます。どうぞご期待ください!!

 



両親が死んだ日、アイリーンにキスをして二人で万引きをして、夜はアイリーンの家でお泊りをしていたキャメロン。アイリーンのパパがただならぬ様子でやってきて、「今すぐ家に送っていくから、今日は帰りなさい」と言って車に乗せられます。
何があったかの説明もないので、12歳の少女は、きっと万引きとキスがばれて、アイリーンの両親が激怒して送り返されるのだ、アイリーンのパパがおばあちゃんに話をして、二度とうちに近づくなと言われるんだと想像します。 
ところが、全く違って、両親の車がアースクエイク湖に落ちて二人とも死亡したことを知らされます。
その時に、パパとママに万引きとキスのことがばれることは永遠にないと思っほっとしてしまったことが、ずっとキャメロンを苦しめることになります。

気持ちをうまく処理できないのに、お悔やみにやってくる人たち、アメリカの習慣でみんなが持ってきてくれる食べ物で台所は溢れかえるのに、食欲などなく、おばあちゃんと引きこもるキャム。続いて届く花束とお悔やみのカードが家中に溢れかえる中、フロリダからママの妹ルースおばさんがやってきます。

独身でラスベガス便のCAをしてるおばさんは、身綺麗にしてて、シャネルの5番をつけていて、そういえば、「新生した」って変わったキリスト教の信者になったと、パパとママがちょっと呆れたように話してたキャムにとって良く知らない親戚。

孤児になった自分のために仕事をやめて、キャムの家に引っ越してきたおばさんとどう対応していいかわからないけど、おばさんが良かれと思ってしてくれることには反発を感じます。特に神様の話には納得できない。

おばさんとおばあちゃんがお葬式の準備に出かけた間に、キャメロンは自分だけのお葬式をしようと、自分の部屋にビデオとテレビを運び込み、ママとみて泣いた映画「フォーエバーフレンズ」を借りてきます。この映画が、肉親が死んだときにどう感じるのが正しいのか教えてくれる気がしたからです。そして、ずっと会うことを避けていたアイリーンのくれたお悔やみカードを見つけ、書かれていた、キャム、アイラブユーの文字にに心臓をどきどきさせます。

おばさんのいう神様についても考え、自分は99セントで借りられる映画を心の支えにしようと決めます。映画はたくさんのたくさんの世界を見せてくれるのです。

町の人の可哀想な孤児という扱いが嫌で、キャムは家に引きこもり続けます。万引きとキスと両親の死のつながりを考えるのが嫌で、アイリーンとも話すのを避けますが、アイリーンの両親は、今までと一緒だからと毎年楽しみにしていたカントリーフェアへ誘ってくれます。その思いやりに応えようと、出かけることにしたキャムは、自分が本当にアイリーンが好きなこと、でもこの関係は変わってしまって、終わらせなくてはならないと心に決めます。


中学1年生9月の新学期、ルースおばさんの要請で、キャムはスクールカウンセラーのナンシーと定期的に面会するようになります。事務室の女性たちがおやつを分けてくれたりすると、ことさら孤独を感じてしまうキャム。

アイリーンはだんだんキャメロン以外の女の子たちと付き合うようになり、キャムはますます自宅でビデオを見ていることが多くなります。ビデオショップの店員ネイトが自分がみている映画をすべて知っていて、時々声をかけてくるのに少し悩ませられながら。

9月の末、アイリーンの牧場で恐竜の化石が見つかって、クローソン一家はいきなり時の人になります。観光客が押し寄せて、すっかり裕福になったクローソン家は、アイリーンを東部の寄宿学校に行かせることにします。キャムも東部に行けばいいよというアイリーン。そうしたいとは思わないキャム。

こうやって、キャムの初恋の最愛の人はキャムの人生から去っていきます。

ルースおばさんは、フロリダの家を売って、パパの建築会社を引き継いだ人に雇われて、本キャムの家に住み、正式な保護者になることにことになります。

おばさんが引っ越しの準備などでフロリダに行っている間に、ママの親友だったマーゴットが訪ねてきます。アマチュアテニス選手で、世界各地を飛び回っているマーゴットは、ママと一緒にアースクエイク湖の災害を体験した人でもあり、心を許せる人でした。自分が知らないママの話や祖父の話を聞いて、キャムは少しほっとした時間を過ごします。

秋が過ぎ、クリスマスが近づくにつれ、ルースおばさんは、昔風の長老派教会に行く、ポスト家の習慣に苛立ってきます。パパとママの習慣を否定されたように感じるキャムも苛立ち、おぼさん抜きでルースと呼ぶように。おばあちゃんはキャムの味方でしたが、ルースは「あたしにクリスチャンロックバンドのTシャツを着て、クリスチャンの夏合宿やラリーや、語り合いの会に行くようになって欲しいんだ」とキャムは思います。

でもとうとうルースは、町はずれの新しいメガチャーチ、ゲイト・トゥ・パラダイスの信者になるようにしてしまいます。ルースは合唱隊に入り、女性聖書研究会で活動するようになり、キャムは若者活動グループファイヤーパワーに入ることに。毎週午前中は2時間たっぷりの礼拝、そのあとに活動。身の回りには邪悪なものがたくさんあるので、いつも戦っていなくてはならない。本物の信者は神様のエージェントになって、世界中に福音を広げるのが勤め、と教えられます。

それは両親が世界と神様について考えていたことと違う、とキャムは信仰ではなく、疑いを抱くようになります。

庭の道具小屋から、パパが作ってくれた精巧なドールハウスを見つけると、キャムはその中に、自分があちこちから持ってきてしまう「記念品」を糊付けして、デコレーションを始めます。

なんでこんなことをするんだろうと自分でも思いながら、それはキャムの大切な儀式になって行きます。

 

作者のページのキャメロンのドールハウスのビデオ

https://vimeo.com/35204670


作者によるキャメロンポストのイメージビデオ

https://vimeo.com/34526934



登場人物たち

・ポストおばあちゃん 
パパのお母さんで近くの町に住んでいる。キャメロンの家の地下室に引っ越してくる。
再放送の推理テレビドラマと推理小説とクロスワードパズルが楽しみ。お菓子作りが上手だが、糖尿病なのでもう食べられない。

・ルースおばさん 
ママの妹で独身。フロリダとラスベガスを結ぶ空路ののCAをしてる。
「新生」して熱心な根本主義系のキリスト教信者になっていて、クリスチャンの活動が生きがい。
キャメロンのためにCAをやめ、フロリダから引っ越してくる。やがて信者仲間の男性と結婚する。
うまれつき、レックリングハウゼン病(神経線維種病)見た目が悪いから定期的に手術をするのと言っているが、キャメロンを施設に入れた後、腫瘍が悪化して入院する。

・アイリーン・クローソン
キャムの幼馴染で姉妹のように育った、初恋の人。牧場主の娘。中学で東部の寄宿学校に行き、遠い人に。

・ネイト
 オタクっぽいビデオ屋の店員。常連のキャムに興味があって、何を見たとか、どうだったとか聞いてくる。ちょっと気持ち悪いとキャムは思ってる。


・ナンシー
スクールカウンセラー

・テッド コーチ
水泳チームの気のいいコーチ。水泳選手としてのキャムを認めてずっと励まし続けた存在。

2019/07/10 17:36