image

「お母さんを治すのは、子どもの役目じゃないんだよ」
精神疾患のお母さんをもつ女の子を描いた
絵本『うちのママは凧のよう』を翻訳出版したい!

カナダは隠れた絵本の名産地〜翻訳者・井田海帆さんから応援メッセージ

こんにちは、サウザンブックスです。絵本『うちのママは凧のよう』はカナダで生まれた絵本です。本書の美しいイラストを手がけているのは、ケベックの作家ナタリー・ディオン。カナダやケベックの出版事情にも詳しい翻訳者、井田海帆さんから応援メッセージをいただきました。


カナダは隠れた絵本の名産地と言えるでしょう。独自の文化的バックグラウンドと豊かな自然、政府の文化助成システムに支えられ、国際的な絵本・児童書業界で徐々に存在感を増しています。テーマとしては、本書でも扱っている家族関係や、ボディ・イメージ(自分の体型に対する意識)、セクシュアリティなど、日本に暮らす私たちの目から見ると踏み込んだものも珍しくありません。「かわいい・わかりやすい」にとどまらない、奥行きを感じさせる作品は、大人の読者をも魅了します。

絵本『うちのママは凧のよう』の原書の版元であるGroundwood Booksはカナダを代表する独立系の児童書専門出版社です。公正さを重んじ、難しいテーマにも恐れず取り組むことで知られ、Groundwood Booksから刊行された作品の多くがカナダ総督文学賞を受賞しています。

本作の作画を担当しているナタリー・ディオンはケベック人。私が個人的に注目しているケベック州のバンド・デシネ(マンガ)においても、作者やその家族の実体験としてさまざまな疾患を扱った作品が注目を集めています。

 

小児麻痺の弟をもつ姉の目線で描かれたバンド・デシネ『Le petit astronaute(小さな宇宙飛行士)』(未邦訳)

 

主人公が視力を失っていく様子を印象的なマンガ表現で見せるバンド・デシネ『La méduse(クラゲ)』(2026年12月花伝社より刊行予定。筆者訳)

私たちが暮らすそれぞれの社会が内向きに閉じていかないよう、さまざまな国や地域の視点を相互に紹介することが、翻訳書を作る者の使命のひとつです。本作は、まさにその使命に資する一冊です。

 

井田海帆(いだ・みほ)

翻訳者。カナダ・ケベック州のフランス語と文化に対する理解を深めるべく、ケベックのバンド・デシネを研究中。訳書に『男の皮の物語』(サウザンブックス社)、『おんどり なんてなく?』(ワールドライブラリー)、『サン=テグジュペリ:天高く飛ぶ鳥の王子』(花伝社)など。

 


皆さんのご協力で、達成率がじわじわと増え、支援者数も60名となりました。引き続き応援よろしくお願いいたします!

 

 

2026/09/16 16:40