こんにちは。サウザンブックスプライド叢書編集部です。じわじわと支援者さんが増えて間も無く10%達成です。皆様の温かい応援に心より感謝申し上げます。
2021年に当社より刊行された『子どもを迎えるまでの物語 生殖、不妊治療、親になる選択』は、不妊治療、養子縁組、LGBTカップル、子どもをもたない…子どもをめぐるあらゆる決断に寄り添い、丁寧に掘り下げた1冊です。クラファン発起人・翻訳の石渡悠起子さんより応援メッセージが届きました。
2020年から2021年にかけて、サウザンブックス社さんを通じて『子どもを迎えるまでの物語 生殖、不妊治療、親になる選択』という書籍のクラファン発起人・翻訳を務めたことがきっかけで、今年の6月に明石書店より出版された『オルタナティブ・ファミリー さまざまな形の家族と、親子にとって本当に大切なこと』という書籍の翻訳を担当しました。
この本には、親の性的指向を問わず、精子・卵子・受精卵提供により形成された、生物学的に両方あるいは片方の親と遺伝上のつながりを持たない親子、シングルペアレントの家庭、レズビアンのふたり母家庭、ゲイのふたり父家庭、トランスジェンダーである親を持つ家庭など、さまざまな形の家族が登場します。こうした家族に共通するのは、地域社会、学校、そして政府などから『ヘテロセクシュアルの父母を持たない家庭に生まれ育つ子どもは苦労する/可哀想』などの偏見や、それに基づく不当な差別を受けやすい、ということです。
家族研究第一人者である著者スーザン・ゴロンボク博士は、1970年代に監護権を奪われたレズビアンの母親たちのために、子どもたちのウェルビーイングに関する縦断的研究を始め、半世紀にわたる研究を通じて、さまざまな家庭の中で子どもが健やかに幸福に育つための大切な点は、愛のある養育者を持ち、理解あるコミュニティの中で育つという、すでに私たちがどこかで知っていることを明らかにしています。反対に、子どもに悪影響をもたらすのは、こうした様々な形の家族をいないものとしてしまうような学校や、地域社会などからの偏見・スティグマ・ヘイトなどが向けられることが原因です。
日本社会においてLGBTQ+家庭に向けられる差別や偏見を解消していくには、何よりもまず同性婚法制化の実現が最重要事項です。一方で、草の根で私たちができることは、こうした家族がすでにここにいるということを知ること、知らせていくことではないでしょうか。それは、当事者家庭の子どもたちが、自分の家族と同じような境遇の家族を絵本や映像作品の中で見つけることにも通じると思います。
『Papa’s Coming Home』でチャスティン・ブーティジェッジが描いているのは、パパとダディ、ジョジョとエラに犬のバターの、どこにでもいる、愛にあふれる家族の話です。『ふたりママの家で』、『ぼくらのサブウェイ・ベイビー』などのサウザンブックスの素晴らしい絵本に続き、『Papa’s Coming Home』が日本語読者に届けられることを、私も心から応援しています。そして、図書館や、自分の家の本棚に、自分みたいな家族の話が見つかって、嬉しい気持ちになる親子が少しでも増えますように。
石渡悠起子
翻訳者。訳書に『子どもを迎えるまでの物語 生殖、不妊治療、親になる選択』(サウザンブックス社)、『オルタナティブ・ファミリー さまざまな形の家族と、親子にとって本当に大切なこと』(明石書店)がある。クラシック・ジャズの音楽アルバムの解説などの翻訳も手がける。Zen 101名義で音楽家としての活動も続けている。
『オルタナティブ・ファミリー』
スーザン・ゴロンボク 著
石渡 悠起子 訳
明石書店 発行
https://www.akashi.co.jp/book/b676115.html
『子どもを迎えるまでの物語 生殖、不妊治療、親になる選択』
ベル・ボグス 著
石渡 悠起子 訳
サウザンブックス 発行
http://thousandsofbooks.jp/project/waiting/