<発起人から>小尾淳先生のオンラインイベント「インド文化クロストーク」には時間が合うときは参加するようにしていて、タミルとケーララの民俗芸能の回がとくに印象に残っています。
応援メッセージで言及されている「ドゥルヨーダナの死」もすごく観たいですね! 『Ajaya』著者もケーララ出身なので、きっと観ているのではないかと思います。
小尾先生はタミル映画の字幕監修をいくつも行っており、ファンの会メンバーのほとんどが観て衝撃を受けた『僕の名はパリエルム・ペルマール』の監修者でもあります。『僕の名はパリエルム・ペルマール』も観ておくと『Ajaya』の理解が深まる部分もあると思います!
『マハーバーラタ』ほど多くの二次創作を生み出してきた物語は稀なのではないでしょうか。数ある創作の中でもドゥルヨーダナにスポットを当てたものというと、個人的にはケーララ地方のカタカリ演劇「ドゥルヨーダナの死」が思い浮かびます。古典劇ですのでオーソドックスな敵役としての描かれ方です。観客はパーンダヴァとカウラヴァの王子たちの戦いを追体験し、卑劣で残忍ではあってもドゥルヨーダナが勇敢な戦士として最期を迎えるところまで見届けます。
しかし、私がこのキャラクターの内面に強く関心をもったのは歌舞伎「マハーバーラタ戦記」(2017,2023)でした。鶴妖朶(づるようだ)王女という悪の華として新たに息を吹き込まれたドゥルヨーダナが、様々な姦計でパーンダヴァ王子らを苦しめながらも、高潔なカルナに惹かれ真の友情を育むストーリーに引き込まれました。
「正義は人の数だけある」と言いますが、ドゥルヨーダナもカウラヴァ家の長兄として義務を全うするため懸命に生きた人物だったのだと目から鱗が落ちる思いでした。『Ajaya』では更に魅力的なドゥルヨーダナが描かれていることと思いますので、日本語訳で読めることを大変楽しみにしております。
小尾 淳
大学時代にインドの多様な文化に魅せられ、日本とインドで南インド古典舞踊(バラタナーティヤム)を習得。その後タミル・ナードゥ州音楽カレッジに3年間留学し南インド古典音楽(カルナータカ音楽)の理論と実技を学ぶ。宗教芸能の研究で大東文化大学アジア地域研究科にて博士号を取得。著書『近現代南インドのバラモンと賛歌』(青弓社)。ほかにタミル語講座、タミル映画の字幕監修など。趣味は舞台芸術鑑賞。
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