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世の「さだめ」を問い直す
もうひとつの「マハーバーラタ」の物語
『Ajaya』を翻訳出版したい!

インド古典学の研究者、川村悠人先生から応援メッセージをいただきました。

今回応援コメントをいただいた川村悠人先生とファンの会代表が初めてお目にかかったのは京都で、「マハーバーラタの神器講座」という講演会に出席したときでした。少人数の対面で参加できたので、少しお話できたのを覚えています。そのときはアルジュナやアシュヴァッターマンの用いるブラフマシラスについて、使用の際に唱える言葉など興味深い内容を教えていただきました。

 

川村悠人先生は古代中世インドの言語論、詩と詩学、神話などのご研究をされており、ご著書や論文を多数書かれています。近刊は『パーニニ文法学講義』(臨川書店)で、サンスクリット文法学者のパーニニが提唱した言語の体系についての本です。

 

川村先生も、本プロジェクトのXを始動したところリポストなどしてくださり、大変勇気づけられました。ありがとうございます! 応援コメント中で、「『マハーバーラタ』という古代インドの大叙事詩は、ありとあらゆる解釈を生み出し、そしてそれをすべて許容してしまうほどの可能性を秘めた大宇宙」と述べてくださっていて、このある種オルタナティブな作品のクラウドファンディングの取り組みを力強く肯定してくださっているような思いで拝読しました。今後も応援よろしくお願いします!

 


 

 『マハーバーラタ』には魅力的なキャラクターがたくさん登場します。機会があるごとに述べている私の持論ですが、誰を主人公にして読んでも面白い作品だと思います。『マハーバーラタ』は、読者である私たちにも休むことなく思考を強いてきます。読み手によって、またどこに焦点を置くかによって、作品全体や場面場面に対して実に多様な解釈が生まれ得ます。それは古代から現代に至るまで、この作品に触れた人たちにとっては、同じことだったのだろうと思っています。

 

 この度、和訳と出版が計画されているAjayaは、カウラヴァ軍の総大将ドゥルヨーダナを主人公にすえた文学作品です。ドゥルヨーダナの視点から『マハーバーラタ』を読み込んでみる試みであると、私は理解しています。

 

 『マハーバーラタ』という古代インドの大叙事詩は、ありとあらゆる解釈を生み出し、そしてそれをすべて許容してしまうほどの可能性を秘めた大宇宙です。私たちがこれまでに触れ得ているのは、この大宇宙のほんの一部に過ぎません。私はまだ見ぬ宇宙の風景を見てみたいと望んでおり、そしてその風景を我が国の読者の方々とも共有したいと望んでいます。それは、インド古典学の研究に身を置く者としての望みでもあります。

 

 英語の原著を読めばよいという考えも一方ではあると思いますが、外国語であることが何らかの障壁となってしまうことも一方ではあり得ます。和訳が出版されることで、より多くの人の目に触れ、耳に触れ、インド文化に対する更なる興味・理解・考察が促されるならば、私としてはこんなに嬉しいことはありません。

 

 ご支援のほど、どうぞよろしくお願い申し上げます。

 

 

川村悠人

1986年生まれ。広島大学大学院文学研究科博士課程後期修了。博士(文学)。現在、広島大学人間社会科学研究科准教授。著書に、『バッティの美文詩研究―サンスクリット宮廷文学とパーニニ文法学』(法藏館)、The Kāraka Theory Embodied in the Rāma Story: A Sanskrit Textbook in Medieval India, D.K. Printworld, 『神の名の語源学』(溪水社)、『ことばと呪力―ヴェーダ神話を解く』(晶文社)、『パーニニ文法学講義』(臨川書店)がある。

 

 


 

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2024/09/10 12:26