こんにちは、akipakaです。大阪公立大学人権問題研究センター特別研究員・明治大学などの非常勤講師をされている劉 靈均(リュウ・レイキン)さまと、夫の柴口さまから、応援メッセージが届きました!
世界中に、LGBTなど性的マイノリティに対する注目が高まっています。しかし、当事者はいまだに宗教保守派により弾圧をされており、またアジアでは儒教思想の影響で、当事者の社会生活にはまだ様々な差別や誤解が満ちています。
特にトランスジェンダーの当事者は、シスジェンダーの当事者よりも常に強いいじめ、ヘイトやデマに晒され、若くして尊い命を落とした方がたくさんいます。最近にはトランスジェンダーの当事者をトイレや更衣室の盗撮などの性犯罪予備軍としているヘイト言説は、世界中に氾濫しています。
日本と海を挟んで、過半数の国民がキリスト教信者の韓国では、ほぼ全てのキリスト教派がLGBTの当事者の存在を否定しています。もちろんLGBT当事者を支持する信者や団体も存在していますが、大多数のキリスト教会は、神様の名のもとに、LGBTを支持する牧師を破門したり、死にまで追い込んだりしています。教会が主体となった差別とヘイトは教会内部の信者だけには留まらず、社会や政治にも強い影響力を持ち、毎年のソウルなどのプライドパレードの開催を妨害し、膨大な資金で政治家へのロビー活動を行っています。トランスジェンダー当事者は、このような悪意に満ちている社会環境に直面しています。
このような逆風の中、本書の作者マランさんとシャイエンさんは勇気を持って、トランスジェンダーとしての生活と喜怒哀楽を、等身大に、わかりやすく教えてくださいました。日本にいる私たちは、お二人の勇気を真正面から受け取り、トランスジェンダーに関する知識を正しく理解して、少しずつ、当事者たちに対する偏見のない世界を作るべきではないでしょうか。
今年亡くなられた韓国の政治に詳しい学者、故・林夏生教授は生前、日本と韓国の性的マイノリティの当事者の相互理解に尽力されました。彼が夢見ていたのは、紛れもなく、日本と韓国、そして世界中の性的マイノリティの当事者が幸せに生活できる世界です。日本と韓国の当事者、そして非当事者の方、ぜひ一緒にこのような美しい世界を実現させていこうではありませんか。
劉 靈均(リュウ・レイキン)
台湾・苗栗県生まれ、台北育ち、2013年来日。大阪公立大学人権問題研究センター特別研究員・明治大学など非常勤講師。専門は台湾と日本の性的マイノリティの文学と社会運動の比較研究。共著書に『百人のためのエンターテインメント:読書サロンにて「須永朝彦小説選」を読む』(2022)、『台湾を知るための72章』(2022)。夫と愛知県在住。
柴口 征寛(しばぐち・まさひろ)
愛知県高浜市議会議員。三重県生まれ。2023年にゲイを公表して議員として初当選。