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トランスジェンダーの二人がオープンに語る
韓国発のコミックエッセイを翻訳出版したい!

発起人からのご挨拶(akipaka)

皆様、こんにちは。『マラン・シャイエン』プロジェクト発起人のakipakaです。当プロジェクトにご関心を持っていただき、どうもありがとうございます!

まさかプロジェクト開始1日で10%を達成するとは、正直なところ予想をしておりませんでした・・・。

それだけ皆様のご関心が高いプロジェクトということで、翻訳刊行に向けて改めて身の引き締まる思いです。

この本との出会った経緯については既にサウザンブックスさまの紹介サイトにて記載をしておりますが、プロジェクトスタートに至るまでの道のりは、細く長い綱を渡るような出来事の連続でした。

『マラン・シャイエン』の原書にインターネット上で出会わなかったら、出会っていたとしても迷った挙げ句に購入しなかったら、あるいは、原書の片方だけ購入できたものの、もう片方が購入できていなかったら・・・。

また、外国語という「言語の壁」を何とか超えようとしなかったら、自分一人で読んだだけで満足して終わっていたり、どうにか翻訳刊行できないかと思い立たなかったら・・・。

プロジェクトがスタートしたばかりですが、今から振り返ると「良くここまでたどり着いたな」というのが率直な気持ちです。

自分にとってはまさに未知の世界の連続で、夜な夜なスマホの翻訳画面と原書とを睨めっこしながら、時には「自分はなぜこんなことをしているのだろう?」と思うこともありました。それでも、最後まで諦めなかったのは、ひとえにこの『マラン・シャイエン』のもつメッセージ性にあると感じています。

英語圏ではない韓国発のコミックエッセイ、かつトランスジェンダー・性別違和を取り扱った内容で、性別移行した当事者自身が描いたものであるということ。2冊同時に、同一の出版社より刊行されたものであるということ。世間の誤解や偏見を解きつつ当事者の実存を示すことを目指すと共に、他の当事者へ届くこと・恩返しとなることを願って描かれたものであるということ。

トランスバッシングが世界中で起こっている中、トイレや風呂の問題に矮小化されがちな当事者が、日常生活をする中で一体何に苦労しているのか。カミングアウト、性別移行、家族との接し方、学校、仕事、恋愛、兵役、宗教などといった、人生における様々な場面において、著者2人がどう考えどう行動したかが、この2冊の本には描かれています。

ただ、紹介サイトなどでもお伝えし切れていない内容がまだまだありますので、今後さらに深堀りする形で皆様へ共有したいです。

なお、この『マラン・シャイエン』を翻訳刊行することの意義は、個人的にですが、「連帯」ではないかと考えています。昨今、様々な属性を分断しようとするような暗いニュースや言説が飛び交っていますが、この『マラン・シャイエン』は、韓国と日本の連帯、コミュニティ間の連帯、トランス当事者間(FtMとMtF)の連帯、トランス当事者と非当事者の連帯、フェミニズムとの連帯、などといった「多くの連帯やつながり」が生まれるキッカケになるのではないか、と妄想しています。

引き続き『マラン・シャイエン』プロジェクトへのご関心・ご支援を賜ることができれば幸いです。プロジェクト終了まで、どうぞよろしくお願い致します。

最後に、『マラン・シャイエン』それぞれの原書の「そで」(表紙をめくったところ)に書かれた「読者へ」のメッセージを紹介して、発起人挨拶の〆とさせていただきます。


【マラン】
漫画を描くまでの私は、他のトランスジェンダーのように埋没(※トランスジェンダーだとわからない状態のこと)を目指して生きていくと思っていました。幼い頃からの知り合いとは連絡が途絶えていて、大人になってから出会った人とは、男性として応対しています。これは、私が自身のアイデンティティーを恥じたせいかもしれません。

『私はマラン、トランスジェンダーです。』では、私と同じトランスジェンダーを知ってもらうことができますし、私自身も紹介しています。また、私のコミックを読んだ人とコミュニケーションを取ることができますし、このコミックのお陰で、トランスジェンダーとして生きる勇気、自分のマイノリティ属性を無視せずに愛する人生にしていくような、良い人生を過ごすキッカケを得ました。自分のことを恥ずかしいとか、あるいは嫌悪している人が、誰もが自分を愛する世界になれば幸いです。

【シャイエン】
以前インターネットで見た古い映像で、どんな映像だったのかハッキリとは覚えていないけれども、とある専門家が「トランスジェンダーが幸せになることはほとんどない」と言ったのを覚えています。私はそれを見て泣きました。それからは、自分が幸せなトランスジェンダーになること、そしてマイノリティが1人でも多く幸せになるのを見守ることを、人生の目標に定めました。私たちトランスジェンダーは、きっと、もっと幸せな生活を送ることができるはずだと考えています。暗闇の中にあっても、この本が「小さな光」になることを祈っています。

(訳および※注釈:akipaka)
翻訳作業中のもので、完成版では異なる可能性があります。ご了承ください。

 

2024/02/06 12:06