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暗く先の見えないトンネルのような
イスラエルとパレスチナの関係を描いた
イスラエル発のグラフィックノベル『トンネル』を翻訳出版したい!

世界中のマンガを翻訳出版するサウザンコミックスに、イスラエルを代表する女性作家の作品を!

皆さん、こんにちは! サウザンコミックス編集主幹の原正人です。

3月29日(水)から始まったサウザンコミックス第7弾ルトゥ・モダン『トンネル』翻訳出版プロジェクトも、気づけばクラウドファンディング期間の約3分の2を消化しました。クラファンの終了日は6月27日(火)、まもなく残り30日となります。

おかげさまで既に100人を超える方々にご支援いただき、達成率1/3ほどが見えて来ました。ご支援くださった皆さん、本当にありがとうございます。

僕自身がクラファンの発起人&翻訳者を務めたダヴィッド・プリュドム『レベティコ―雑草の歌』(原正人訳、2020年10月)から始まったサウザンコミックスでは、既に5冊の多種多様な世界のマンガが翻訳出版されています。

第1弾の『レベティコ―雑草の歌』はフランス語圏のマンガ“バンド・デシネ”、第2弾のMK・サーウィック『テイキング・ターンズ HIV/エイズケア371病棟の物語』(中垣恒太郎、濱田真紀訳、2022年1月刊)はアメリカのコミックス、第3弾エティエンヌ・ダヴォドー『ワイン知らず、マンガ知らず』(京藤好男監修、大西愛子訳、2022年7月刊)は再びバンド・デシネ、第4弾の原作:楊双子、作画:星期一回収日『綺譚花物語』(黒木夏兒訳、2022年10月刊)は台湾のマンガ、そして少し前に完成したばかりの第5弾パヴェル・チェフ『ペピーク・ストジェハの大冒険』(ジャン ガスパール・パーレニーチェク、髙松美織訳、2023年6月一般発売開始)はチェコのマンガ。第6弾のアメリカのコミックス、デイヴィッド・マッズケリ『アステリオス・ポリプ』(矢倉喬士、はせがわなお訳)も鋭意制作中です。
 


サウザンコミックスの既刊ラインナップ


フランス語圏のバンド・デシネにアメリカのコミックス、台湾のマンガ、チェコ・コミック……。手前味噌ですが、他にはなかなかない、もともとの出版国も本の形も厚さも絵柄も実にバラエティに富んだ、興味深いコレクションになっているのではないかと思います。マンガという点以外に共通点のない、こんなラインナップは通常の出版社ではなかなか組むことができません。こんな挑戦ができるのも、ひとえにサウザンコミックスがクラウドファンディングを通じて、皆さんにご支援いただきながら、売れるかどうかということに縛られすぎない本作りをしているからに他なりません。

そして、今回、このラインナップにイスラエルのマンガ、ルトゥ・モダン『トンネル』が加わろうとしています。本書の詳細については、発起人のグラフィック・ノベル制作ユニット「バヴア」のおふたり井川アティアス翔さんと戸澤典子さんが、クラファンサイトのトップページに記してくださっていますので、ぜひそちらをご覧ください。

作者のルトゥ・モダンは、日本でこそまだほとんど知られていませんが、欧米では非常に高く評価されている作家です。2007年の『Exit Wounds(エグジット・ウンズ)』で注目されてからというもの、『トンネル』も含め、主要な作品がほぼすべて各国語に翻訳出版されています。イスラエル人の女性の立場からユダヤのアイデンティティやイスラエル・パレスチナ問題を扱った彼女の作品は、他に例を見ない、とてもユニークなものです。
 


『トンネル』は、イスラエルが占領するパレスチナを舞台に、考古学者を父に持つシングルマザーの主人公ニリが、ユダヤ人とパレスチナ人の対立を乗り越えて、ユダヤ教の遺物を捜す冒険活劇

 

僕自身、『Exit Wounds』のフランス語版が2008年のアングレーム国際漫画祭にノミネートされ、「重要作品賞」を受賞したときにルトゥ・モダンのことを知り、いずれ日本語版も出るのだろうなと高をくくっていました。ところが、それから既に15年以上経ちますが、一向に翻訳される気配もなく、今に至っています。

今回この機会に翻訳出版されなければ、おそらくまた長く待たされることになるに違いありません。ひょっとしたらルトゥ・モダンの作品は日本語に翻訳されずじまいになってしまうのかもしれません。それではあまりに残念です。この機会にぜひルトゥ・モダンの最新作であり、代表作でもあるこの『トンネル』を翻訳出版したい!

サウザンコミックスのクラウドファンディングはAll-or-Nothing方式で、目標金額に到達しないと、この本の日本語訳を出版することができません。身の回りにイスラエルのマンガに興味がありそうな方、この本のテーマに共感してくれそうな方がいたら、こんなプロジェクトがあるよと、ぜひオススメいただけるとありがたいです。

繰り返しになりますが、ルトゥ・モダン『トンネル』翻訳出版クラファンの終了日は6月27日(火)です。イスラエルを代表する作家の傑作を日本で翻訳出版できるようにするために、残り約30日、ご支援・応援どうぞよろしくお願いします。

サウザンコミックス編集主幹 原 正人


 

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2023/05/26 12:09