大学時代、サークルの先輩だった漫画家のうえはらけいた氏。
当時一緒だったサークルは文化祭実行委員会。先輩は委員長で、私は看板係でした。
漫画家をしています、うえはらけいたと申します。
バヴアの戸澤さんとは、大学の同じサークルで出会いました。
イスラエル・パレスチナ問題と聞くと
私たち日本人には「遠い国で起きている複雑な問題」という印象があると思います。
正直に言うと僕にとってもそうでした。
しかし今回「トンネル」の翻訳前原稿を見せて頂いて、
「国際問題」というシンプルなラベルでしか捉えることができなかったイスラエル・パレスチナの事をそこに暮らす人達の会話や感情、そして息遣いとともにリアルな日常生活として捉え直すことができました。
「彼らも私たちと同じように21世紀の今この瞬間を、日常として過ごしているのだな」
至極当然のことではありますが、その現実をこのマンガは実感を持って教えてくれました。
そして「マンガ」という表現が国際的な理解を助けるのに
強い力になるというこの事実を、漫画家の端くれとして誇らしく思います。
小難しい話を抜きにしても、この「トンネル」という作品は魅力に溢れています。
アメリカンコミックでも、バンドデシネでもない、新たな表現方式を拡張していますし、
なにより色彩表現がとても豊かでずっと見ていたくなるような作品です。
皆さんにも、一つの漫画作品として
ぜひ読んで貰えればと思っています。
うえはらけいた
漫画家。広告代理店勤務を経て、2021年に「コロナが明けたらしたいこと」でデビュー。「ゾワワの神様」などSNSを中心に連載。
https://keitauehara.com/
うえはら氏の作品『ゾワワの神様』から