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グラフィックノベル史に燦然と輝く傑作
『Asterios Polyp(アステリオス・ポリプ)』を翻訳出版したい!

制作状況のお知らせ:組版作業に入りました&フォント案が出てきました

皆さん、こんにちは。サウザンコミックス編集部です。

前回、矢倉喬士さんとはせがわなおさんの最初の翻訳が終了したことをお伝えしましたが、その後も制作は順調に進んでいまして、いよいよフキダシの中に文字を入れる組版作業に入りました。写真は矢倉さんとはせがわさんの翻訳をひとまずそのまま流し込んだ0校と呼ばれるものになります。この作品はキャラクターごとにフォントが異なる凝った作品ですが、この段階ではまだそこは反映していません。

 

『アステリオス・ポリプ』0校。フキダシにセリフが入りました

 

マンガの翻訳に際して、翻訳されたセリフやナレーションが絵を邪魔するようなことがあってはいけません。絵と言葉は見事に調和し、最大限の効果を発揮する必要があります。現状の翻訳はあくまで仮にひと通り翻訳した試訳的なものに過ぎませんから、翻訳者にはこれから、訳文と絵を照らし合わせていただきつつ、0校→初校→再校→三校と何度も修正を重ね、この『アステリオス・ポリプ』という作品の日本語訳の最適解を模索していただくことになります。最終的にどんな翻訳ができあがるのか、ぜひ楽しみにしていてください。

この作業と並行して、デザイナーさんがフォント案を作成してくれました。このようにキャラクターごとにフォントを決めていきます。おそらくは次の初校か再校の段階で、フキダシの中のセリフをそれぞれのフォントに変えていくことになると思います。

 

フォント案。原書に倣って、キャラクターごとにフォントを変えていきます

 

凝った作品だけに日本語版の制作に時間がかかり、皆さんをやきもきさせてしまうかもしれませんが、気長にお待ちいただけるとありがたいです。

 

このデイヴィッド・マッズケリ『アステリオス・ポリプ』の翻訳出版クラファンが終了したのが昨2022年12月15日のことですが、サウザンコミックスでは現在6月27日(火)まで、第7弾となるルトゥ・モダン『トンネル』というイスラエルのグラフィックノベルのクラウドファンディングを行っています。『アステリオス・ポリプ』は非常に優れた作品であるにもかかわらず、長らく翻訳がなされなかった作品で、皆さんのご支援のおかげで、今まさにこうして翻訳作業が行われているわけですが、このルトゥ・モダンという作家も、欧米では高く評価されながら、長らく翻訳されてこなかった作家です。今回翻訳しようとしている作品は、彼女(ルトゥ・モダンは女性作家です)の最新作で、彼女が暮らすイスラエルという国の過酷な歴史を踏まえつつ、マンガならではのチャーミングさを最大限に発揮しながら、その現在を描いたすばらしい作品です。よかったらまずはぜひクラウドファンディングのサイトで、作品の概要と発起人の作品に対する想いをお読みください。面白そうと思っていただけるようでしたら、ぜひご支援いただけるとうれしいです。

 

 

 

 

2023/06/14 15:52