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グラフィックノベル史に燦然と輝く傑作
『Asterios Polyp(アステリオス・ポリプ)』を翻訳出版したい!

作家の今村昌弘さん、大滝瓶太さんから応援メッセージが届きました!

 ただの漫画でも小説でもない。見た瞬間、その異様な魅力が伝わってきました。
なぜこの色で、このタッチで、この場面が描かれているのか。
ページのいたるところに情報と想像の欠片がちりばめられていて、この本は行間や空白から読み取ることの楽しさを教えてくれる、と直感しました。

 本の厚みといい、読者一人ひとりにとって異なる価値を持つ宝箱のような本になるのではないでしょうか。刊行後、きっと多くの人がこの読書経験を話したくなるはず。

 また個人的に、クラウドファンディングでの出版に成功してほしい。
業界が大きな困難に直面しているこの時代、「大きな部数でなくては生き残れない」ではなく、「自分が読みたい本を出版してもらう」という形が、今後の出版文化で大きな役割を果たしていくのではないかと期待しています。


今村昌弘
ミステリ作家。2017年に『屍人荘の殺人』で鮎川哲也賞を受賞しデビュー。2019年に『魔眼の函の殺人』、2021年に『兇人邸の殺人』を刊行。
 


 表現そのものについて思索的・挑戦的な作品というのが好きだ。高々80年程度の人生のなかで読めるものは限られているし、書けるものとなるともっと限られてくるのだけれど、時間もコストも無尽蔵にあるわけではないがゆえ、おそらく表現者は「表現とみずからの人生」を完全に分離できないのではないかと思う。だからこそ人生の断片や流れをなんとかつかみ、言葉を尽くし、レトリックを駆使して物語を書く。そこはいつでも現実と虚構がないまぜになる特別な空間だ。

 デヴィット・マッズケリのグラフィック・ノベル『アステリオス・ポリプ』の話を聞いたとき、ぼくの頭に浮かんだのはそんなイメージだった。優秀な建築家とされながらも設計図が現実の建物としておこされたことが一度もない主人公アステリオスは、この設定が象徴するように「理想」と「現実」の奇妙なねじれを抱えている。そして双子として生まれてくるはずだった彼の人生は二項対立のオブセッションがあらゆる細部に満ちており、『アステリオス・ポリプ』という作品はその細部に表現への挑戦がある。暗喩的・記号的な描写のみならず、多声的な語りや装丁に至るまで、「本」という物体すべてを使った表現作品だ。

 国際的な評価はすでに高いと聞くが、なにぶん野心的な本であるゆえに日本で紹介するのも容易ではないとは思う。ただ、こうした野心的な本は野心的な企画と野心的な翻訳者によってなされるのが一番良いに決まっていて、応援というよりは共犯者になるような心地でこれを書いている。

 みなさま、ご支援のほどよろしくお願いします。


大滝瓶太
作家。1986年生まれ。短編「青は藍より藍より青」で第1回阿波しらさぎ文学賞を受賞。(樋口恭介編『異常論文』(早川書房)で短編「ザムザの羽」、ユキミ・オガワ作品「町の果て」(バゴプラ)、「煙のように、光のように」(早稲田文学)の翻訳を発表。

 

達成率のこり40台になりました!!
プロジェクト成立まで拡散ご協力をお願い致します。

2022/11/22 14:37